断片話
◆役割
(雷+圓)
「圓潮ってすげーんだな!」
「そうかい?」
幼子のように無邪気な目を向けてくる〈山ン本さん〉の〈骨〉。
百物語組においての役割を少し話しただけでこの大げさな反応。
少々思考が短絡的な相手は、おそらくさほど分かってはいまいと圓潮は思った。
「圓潮が語っただけで妖怪ってできんのか?」
「妖怪を〈産む〉のは〈腕〉の役だよ。あたしは語って広めるだけさ」
「〈腕〉か……あんま見た事ねーな? そう言えば」
「鏡斎はめったに外に出ないからネェ。まあ、家で産み続けてくれる方が安心はできるよ」
「へー」
「百物語組で一番欠かせない人物だよ〈腕〉は」
「〈脳〉よりもかよ?」
「――さて、それはあたしの口からは言えないネェ。ただ、〈腕〉が居なければ畏れを集める事がままならなくなるのは確かだよ」
(2015/04/21)
(雷+圓)
「圓潮ってすげーんだな!」
「そうかい?」
幼子のように無邪気な目を向けてくる〈山ン本さん〉の〈骨〉。
百物語組においての役割を少し話しただけでこの大げさな反応。
少々思考が短絡的な相手は、おそらくさほど分かってはいまいと圓潮は思った。
「圓潮が語っただけで妖怪ってできんのか?」
「妖怪を〈産む〉のは〈腕〉の役だよ。あたしは語って広めるだけさ」
「〈腕〉か……あんま見た事ねーな? そう言えば」
「鏡斎はめったに外に出ないからネェ。まあ、家で産み続けてくれる方が安心はできるよ」
「へー」
「百物語組で一番欠かせない人物だよ〈腕〉は」
「〈脳〉よりもかよ?」
「――さて、それはあたしの口からは言えないネェ。ただ、〈腕〉が居なければ畏れを集める事がままならなくなるのは確かだよ」
(2015/04/21)