断片話

◆嫌味
(圓鏡)

「定例会なんてものを開いても、集まりが悪いからネェ」

会議を開かなくなった理由を圓潮は呆れ混じりで答えた。
怪談妖怪の特性上、場所を移動したがらない者が多い。
もっとも、と言葉を区切り他人事のように聞いている相手を眺めた。

「その中でも欠席数が断トツで多かった自覚はあるのかい、鏡斎?」
「…………」
「欠席数より出席数を勘定した方が早かったネェ、お前さんの場合は」
「……圓潮。済んだ話を蒸し返して何か変わるか?」
「変わりはしないだろうが、あたしの気が少しは晴れるよ」


(2015/04/17)
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