断片話

◆信用度
(柳鏡)

「柳田サンも、たいがいオレに甘いな」
「そう哉? 君が描く方が早いと思ったからボクは言っただけだよ」
「オレの意見聞くより、さっさと噺の元になってる怪人を茶で操ればいいだろ」
「覇者の茶は無尽蔵にある訳じゃないから慎重になってるだけだよ。それに、ボクは君が産み出した妖怪以外を、あまり信用しないし、したくもない哉」

一度手酷い目にあってるからね、と笑いながら言う相手。
山ン本の本体が奴良組に倒された時の話は、圓潮から聞いてはいた。
今なお百物語組の元幹部だった妖怪を忘れない柳田に、根の深い事だと呆れた。


(2015/02/27)
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