断片話
◆よた話
「そう言えばよ、〈脳〉の世話って誰がしてたんだ?」
「柳田サンだろ」
それ以外に誰がそんなしち面倒くさい事をやるのかと鏡斎は雷電に答えた。
「じゃあ〈脳〉は柳田に頭上がらなそうだな!」
「そうか?」
「そうだろうネェ」
「……いたのかよ圓潮」
唐突に話に入ってきた圓潮へ、いつの間に来たんだと鏡斎は視線を向けた。
「全く、組を統括する役のくせに柳田に甘くていけない」
「圓潮が組長だろ?」
「雷電、あたしのことを誰が組長だって言ったんだい?」
「いや、ほらアレだろ…えー……威張ってるじゃなくって」
「……貫禄的にか?」
「おう! それだ!!」
鏡斎の助け舟に勢いよく相槌を打つ雷電。
その様子に呆れたように圓潮は口を開いた。
「組長は〈山ン本さん〉だろう、表向きには」
「実質あんたが組仕切ってるよな」
気苦労が多そうだなと同情の視線を向けられ、圓潮はため息を吐く様に呟いた。
「自分勝手に生きるのが多いからネェ……」
誰とは言わないがと圓潮は雷電を眺め、仕切り直して話を戻した。
「まぁ、何にしても〈脳〉は柳田には甘いよ」
(2012/08/29)
「そう言えばよ、〈脳〉の世話って誰がしてたんだ?」
「柳田サンだろ」
それ以外に誰がそんなしち面倒くさい事をやるのかと鏡斎は雷電に答えた。
「じゃあ〈脳〉は柳田に頭上がらなそうだな!」
「そうか?」
「そうだろうネェ」
「……いたのかよ圓潮」
唐突に話に入ってきた圓潮へ、いつの間に来たんだと鏡斎は視線を向けた。
「全く、組を統括する役のくせに柳田に甘くていけない」
「圓潮が組長だろ?」
「雷電、あたしのことを誰が組長だって言ったんだい?」
「いや、ほらアレだろ…えー……威張ってるじゃなくって」
「……貫禄的にか?」
「おう! それだ!!」
鏡斎の助け舟に勢いよく相槌を打つ雷電。
その様子に呆れたように圓潮は口を開いた。
「組長は〈山ン本さん〉だろう、表向きには」
「実質あんたが組仕切ってるよな」
気苦労が多そうだなと同情の視線を向けられ、圓潮はため息を吐く様に呟いた。
「自分勝手に生きるのが多いからネェ……」
誰とは言わないがと圓潮は雷電を眺め、仕切り直して話を戻した。
「まぁ、何にしても〈脳〉は柳田には甘いよ」
(2012/08/29)