断片話

◆仕事と趣味


「柳田っていつ寝てんだ?」
「さぁネェ?」

雷電の質問に圓潮は軽く答えた。
いつ寝ているのか分からないほどに噺を集めてくる柳田を眺め雷電は感心したように言った。

「仕事熱心だよなぁ」
「仕事熱心と言えば聞こえはいいが、あそこまで不眠不休に近いとある意味執念だ」



「ボクなんて、鏡斎に比べたら遊んでいるようなものですから」

きっぱりと言い切り休むことを断った柳田は、次の噺を探しに出かけた。
返された答えに圓潮は暫く考え込んだ。

「……鏡斎が基準ネェ?」

趣味と仕事は別、とは言い辛い。
もっとも、勘違いにしろこれで噺が集まる効率がよくなるのなら黙っておくべきかとも思った。


(2012/05/27)
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