断片話

◆聞きたくない
(柳鏡)

嗚呼、なんて何て羨ましいんだろう。

「嫉妬しそうだよ、鏡斎」

ボクだけを見て、ボクだけを感じて。
君の目の前にいるのはボクなのに。
今ここにいない人物たちの事を思い浮かべないで。

「ボクだって〈耳〉なんだよ?」

仲間外れ。
そんな言葉聞きたくない。


(2011/11/15)
12/98ページ