断片話

◆前略
(柳鏡)

ボクの恋人はとても無防備。
絵以外の事には無頓着と言っても過言ではないぐらい哉。

「鏡斎! 遊びに来たぜ!!」

……お邪魔虫第一号、〈山ン本さん〉の〈骨〉雷電。
〈山ン本さん〉の一部じゃなければ真っ先に潰したかった哉!
脳まで筋肉質を地で行く雷電に、鏡斎は馬鹿な子ほど――の理屈でベタベタするのを許してる。



「調子はどうだい、鏡斎? ……と、柳田もいたんだネ」

……圓潮師匠、ボクが一番尊敬すると同時に、とても厄介な人物。
鏡斎もボクにはつれないくせに、師匠だと無条件で素直。
圓潮師匠も、どうして様子見をボクに任せてるくせに、たまに来るのか……少し悪意を感じる哉。



「柳田サン、今日は寒いから泊まってくんだろ?」

……鏡斎、それはお誘いと受け取ってもいいの哉?
ボクを狼にする気?

前略、恋人が無防備すぎて困ります。


(2011/11/14)
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