断片話
◆諸行無常の響きあり
(トル呂+釈迦)
「その大きさがギリだった」
いつものようにアメを噛んでいた釈迦は、説明を求められ簡素な一言を口にした。
中華服を着た子供を片腕に座らせていたトールは、無言で睨むように釈迦を眺め。
逆に、北欧最強の狂戦士たる雷神の腕に座る小さな子供は。
我関せずとばかりに尖った歯が並ぶ口をくわっと開け、眠たげにあくびをしていた。
ラグナロクにてニブルヘルした者の復活が会議決定し。
復活者の一人目となるはずだった呂布奉先。
どれだけ待ち望んだことかと、仏界へと出迎えに行った雷神トールは。
そこで、好敵手の面影がかすかに残る、目付きが凶悪的に悪い子供と対面した。
元々、魂の管理地域の違いから。
ニブルヘルした者の復活方式は様々だった。
三国時代の者の為に用意された復活方式は、極楽浄土の池に咲く蓮。
ただ、生前の悪行のせいか、徳が足りぬか、相性が悪かったのか。
呂布奉先を復活させる為の蓮だけが、早々に開花してしまい。
結果、魂は修復されていたが、肉体の年齢だけ不釣り合いとなった。
「全盛期まで成長はして戻るから、あとはヨロ」
じゃあそう言うことでとばかりに釈迦は背を向け。
ひらひらと手を振りながら歩き出したが、ふと足を止めて振り返った。
「あー言い忘れてた、後から復活する人間達は元の姿で戻ってくるから」
(2020/09/21)
(トル呂+釈迦)
「その大きさがギリだった」
いつものようにアメを噛んでいた釈迦は、説明を求められ簡素な一言を口にした。
中華服を着た子供を片腕に座らせていたトールは、無言で睨むように釈迦を眺め。
逆に、北欧最強の狂戦士たる雷神の腕に座る小さな子供は。
我関せずとばかりに尖った歯が並ぶ口をくわっと開け、眠たげにあくびをしていた。
ラグナロクにてニブルヘルした者の復活が会議決定し。
復活者の一人目となるはずだった呂布奉先。
どれだけ待ち望んだことかと、仏界へと出迎えに行った雷神トールは。
そこで、好敵手の面影がかすかに残る、目付きが凶悪的に悪い子供と対面した。
元々、魂の管理地域の違いから。
ニブルヘルした者の復活方式は様々だった。
三国時代の者の為に用意された復活方式は、極楽浄土の池に咲く蓮。
ただ、生前の悪行のせいか、徳が足りぬか、相性が悪かったのか。
呂布奉先を復活させる為の蓮だけが、早々に開花してしまい。
結果、魂は修復されていたが、肉体の年齢だけ不釣り合いとなった。
「全盛期まで成長はして戻るから、あとはヨロ」
じゃあそう言うことでとばかりに釈迦は背を向け。
ひらひらと手を振りながら歩き出したが、ふと足を止めて振り返った。
「あー言い忘れてた、後から復活する人間達は元の姿で戻ってくるから」
(2020/09/21)