萌語り

◆焦燥感対策


勝った方が負けた方の向こう百年を貰い受ける勝負をする神と人とか。
互いに互いが、相手がいつ失望するか分からないのが嫌だった結果。

トール神は、要は勝ち続けるだけでいいシンプルさを気に入り。
呂布は、強い者が決定権を得るという妥当さを気に入ってのこと。

勝てばいい、勝ち続ければいい、相手に決定権を渡さず、己が飽きるまで付き合わせればいい。
その根底にあるのが未来永劫に続きはしない関係性への焦燥感とは知らず。
分かりやすく戦いによって不確定要素を壊す気な二名。

ただ、トール神は百年どころかそのずっと先まで考えてるが。
呂布は直近の百年しか眼中になく、時間感覚の違いが如実に出る神と人とか。
生前、三十余年ぐらいで退屈しすぎて死んだので、百年もあれば十分だろうと思ってる呂布。
そういう所が神にとっての不安要素だと知る由もない。


(2021/04/14)
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