テガミバチ
ゴーシュはいつも仕事の事を考えていて、
味オンチで、口下手で……
そして……時々かわいい。
「ラグ、どうしました?」
「別に……なんでもない」
ジッと見ていたのがばれたのか、ゴーシュが声をかけてきた。
何でもないとしか答えようが無く、ゲボマズスープに視線を落とした。
「そうですか」
納得したのかしなかったのか、よく分からないけれど、ゴーシュも手に持っていたスープに口をつける。
「……ラグ、言いたい事があるなら口で言ってください」
「別に、なんでもないってば」
「では、何故こちらをジッと見ているのですか?」
「別にいいじゃん」
本当は、もっとゴーシュの事が知りたくて見ていた。
自分より年上のゴーシュがかわいいなんて思えるのは変だと思ったから。
「あ……」
「今度は何ですか、ラグ、また何でもないですか?」
「食べカスついてるよゴーシュ」
「……ッ…そうですか」
口もとを擦りながら赤くなるゴーシュ。
やっぱり、かわいい。
「ゴーシュ」
「何ですか?」
「とくていの人がかわいく見えるのって病気?」
「例えば、どんな風にですか?」
「んっと……その人が年上なのに、時々かわいく見えて、それで、胸が変になるんだ」
たどたどしい言葉を聞いてから、真面目にゴーシュは考えてくれた。
「……そうですね……それは、もしかしたら、恋なのかもしれませんね」
「恋?」
「ラグが、もう少し大人になれば、きっと分かりますよ」
「ふ~ん……そうかな?」
「そう言うものですよ」
ポフポフと頭を撫でてくるゴーシュ……
ああ、やっぱり、ゴーシュのことが好きなのかもしれない。
まだ恋は始まったばかり
「あ、でも初恋は実らないと、よく言いますけどね」
「えっ、そうなの!?」
end
(2010/04/25)
味オンチで、口下手で……
そして……時々かわいい。
「ラグ、どうしました?」
「別に……なんでもない」
ジッと見ていたのがばれたのか、ゴーシュが声をかけてきた。
何でもないとしか答えようが無く、ゲボマズスープに視線を落とした。
「そうですか」
納得したのかしなかったのか、よく分からないけれど、ゴーシュも手に持っていたスープに口をつける。
「……ラグ、言いたい事があるなら口で言ってください」
「別に、なんでもないってば」
「では、何故こちらをジッと見ているのですか?」
「別にいいじゃん」
本当は、もっとゴーシュの事が知りたくて見ていた。
自分より年上のゴーシュがかわいいなんて思えるのは変だと思ったから。
「あ……」
「今度は何ですか、ラグ、また何でもないですか?」
「食べカスついてるよゴーシュ」
「……ッ…そうですか」
口もとを擦りながら赤くなるゴーシュ。
やっぱり、かわいい。
「ゴーシュ」
「何ですか?」
「とくていの人がかわいく見えるのって病気?」
「例えば、どんな風にですか?」
「んっと……その人が年上なのに、時々かわいく見えて、それで、胸が変になるんだ」
たどたどしい言葉を聞いてから、真面目にゴーシュは考えてくれた。
「……そうですね……それは、もしかしたら、恋なのかもしれませんね」
「恋?」
「ラグが、もう少し大人になれば、きっと分かりますよ」
「ふ~ん……そうかな?」
「そう言うものですよ」
ポフポフと頭を撫でてくるゴーシュ……
ああ、やっぱり、ゴーシュのことが好きなのかもしれない。
まだ恋は始まったばかり
「あ、でも初恋は実らないと、よく言いますけどね」
「えっ、そうなの!?」
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(2010/04/25)
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