断片話

◆共戦


「随分となめたまねをしてくれるな」
「邪魔じゃ、病み上がりは退かんか」

目の前に迫る雑多な敵へと視線を向けたまま、伊佐奈は椎名を手で制した。

「邪魔はどっちだ、少し下がってろ」

上着を尾へと変化させ、伊佐奈は仮面の下で口の端を上げながら言い放った。

「ちょいと痛めつけるだけで許そうかと思ったが、気が変わった。全力で潰してやるよ」


(2011/01/04)
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