小話
【どんな申し出にしても……】
「椎名、俺の館内にこの園を移す気はないか?」
「あるわけないじゃろ。さっさと帰れ」
威嚇するように睨む椎名に怯む事も無く、笑みを絶やさず伊佐奈は続けた。
「初めてシャチが園に行って、言った言葉を思い出して警戒するのも分かる。今回は園の動物達には危害を与えないし、特別待遇もする事を約束するよ」
「まずその笑みを止めんか、気色悪い。それから、何を企んでるんじゃ?」
胡乱気に端から疑ってかかる椎名。
さすがに騙すのは無理か、とあっさりと伊佐奈は笑みをといた。
「企んでる訳じゃない。本当はお前だけを連れて行きたいが、どうせ園を理由に断るだろ? だから、始めから園ごとの移動を申し出ただけだ」
「どんな申し出にしても断るに決まってるじゃろ」
end
(2010/11/23)
「椎名、俺の館内にこの園を移す気はないか?」
「あるわけないじゃろ。さっさと帰れ」
威嚇するように睨む椎名に怯む事も無く、笑みを絶やさず伊佐奈は続けた。
「初めてシャチが園に行って、言った言葉を思い出して警戒するのも分かる。今回は園の動物達には危害を与えないし、特別待遇もする事を約束するよ」
「まずその笑みを止めんか、気色悪い。それから、何を企んでるんじゃ?」
胡乱気に端から疑ってかかる椎名。
さすがに騙すのは無理か、とあっさりと伊佐奈は笑みをといた。
「企んでる訳じゃない。本当はお前だけを連れて行きたいが、どうせ園を理由に断るだろ? だから、始めから園ごとの移動を申し出ただけだ」
「どんな申し出にしても断るに決まってるじゃろ」
end
(2010/11/23)