桔ザク

「またこれかバーロー……」

うんざりとした表情でザクロは目の前に出された皿を眺めた。

「ハハン、そんなに不満そうな顔をしないでください。ブルーベルとデイジーはあんなに喜んでいますよ?」

エプロンをつけ、テキパキとザクロの前に朝食を並べていく桔梗が促す先には、すでに食卓につき。
それぞれに自分の前にあるパンケーキに蜂蜜やジャム、チョコレートソースをかけて食べているブルーベルとデイジーがいた。

「ガキは良いなバーロー、毎朝ジャムに蜂蜜かけまくって食ってもあきねーもんな」
「文句を言わずに食べてください。作った人物に失礼だと思わないのですか?」
「桔梗……レパートリー増やせ」
「ハハンッ、白蘭様が好きなもの以外作れません」
「つまり、甘い物以外は期待するなって言いてぇのか?」

せめて、朝食ぐらいトーストにサラダにコーヒーにしてくれ。
と、毎日のごとく出される甘いジャムと一緒のパンケーキに視線を落としながら、ザクロは呟いた。



献立の問題
「うぇッ……胸焼けしてきやがった」
「ハハン、つわり対策にオレンジジュースでも飲みますか?」
「つわりじゃねーぞバーロォ!」


end
(2010/05/18)
81/100ページ