桔ザク

「バ、バーロォ! 男が男を好きとか言うな!!」
「…………」

顔を真っ赤にしながら怒鳴るザクロを見て、
今どき此処まで純粋な人物が本当にいるんですね?、と拍子抜けにも近い驚きを感じた。

正直に言えば、ザクロの顔や体格的に、はっきり言って何回かぐらい掘られそうになった事があると思っていました。
どう見てもガチk……いえ、ゲイの方達にとて、もてそうだと思ったので……ネコ的な意味で。

そう言えば、のどかな田舎育ちだと言っていましたね……

「本気ですよ、ザクロ」
「バーロー! 何でだよ気色悪い!!」

と、言いつつも完全には無下に人を拒否しきれない様子の顔に、本当に純な人ですね、と心の中で思いました。



「ハハン、ならじっくりと教えてあげますよ。今から時間は空いていますか?」
「……空いてるっちゃ空いてるけどよぉ……?」


疑問を持ちながらも、断りきれない様子……

何と言いますか、本当に扱いやすい人ですね。



「では、教えてあげますよザクロ、じっくりと丁寧に……」


ザクロの腰をホールドしながら、手短にあった部屋へと入って行く。

ああ、此処まで純粋な人もなかなかいませんよ?と言うより鈍感ですね。
普通なら警戒しますよ、告白してきた相手と2人っきりで部屋に入るなんて事。
少し考えれば危ない事ですよ?

大丈夫ですよザクロ、私が貴方にみっちりと覚えこませますから。
私なしではいられないぐらい、じっくりと、丁寧に、教えますね?



その男、田舎育ちにつき
騙されやすいです。


end
(2010/01/11)
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