桔ザク
「…………洗濯機の泡かバーロー?」
「ハハン、飲み物からほど遠い物を連想しないでください」
目の前に出された緑色の泡だらけの物を見ながら呟いたザクロに、少しだけ眉を顰めた桔梗は呆れながら返した。
「でもなぁ、泡だらけだぞ?」
「抹茶ですよ……それから、泡だらけというならカプチーノはどうしますか?」
「何でまた日本的なのを」
「白蘭様から落雁をいただいたので、ついでです」
「ついでで淹れられるお前がすげーぜバーロー」
抹茶は淹れるではなく点てるです、と小言を言う桔梗に耳を塞ぎながら聞き流したザクロは。
ふわふわとムースの様な緑色の泡が一面に広がる茶碗を眺めた。
「全員で回し飲みか?」
「色々と知識が混同しているようですが、濃茶ではないので一人一杯ずつありますよ」
濃茶って何だ、や、何で日本文化に詳しいんだよ、とか言いたくなったザクロだったが。
めんどくさそうな上に覚える気も無いので黙ることにした。
「…………桔梗、一つ聞いていいか?」
「ハハン、何ですか?」
「苦いのかバーロー」
真剣な顔で茶碗と対峙しながら聞くザクロに、クスリと笑い声を漏らしてしまった桔梗は。
笑い声に反応して睨んできたザクロに笑った事を誤魔化しながら優しく返した。
「一般的に抹茶が苦いと言うのは安物を使っているからですよ、もっとも、気になるようでしたらお菓子を先に食べてください」
「そうかよ」
さっそく小さい落雁に手をのばし口の中に放り込んだザクロは暫く黙り眉を寄せた後、抹茶を一気に飲み干した。
「……甘い、つーか甘ったる過ぎねーかこの菓子」
「ハハン、ある意味、落雁は砂糖の塊ですから」
結構なお手前で
「あと二、三杯くれバーロー」
「ハハン、もう少し味わって飲んでください」
end
(2010/04/26)
「ハハン、飲み物からほど遠い物を連想しないでください」
目の前に出された緑色の泡だらけの物を見ながら呟いたザクロに、少しだけ眉を顰めた桔梗は呆れながら返した。
「でもなぁ、泡だらけだぞ?」
「抹茶ですよ……それから、泡だらけというならカプチーノはどうしますか?」
「何でまた日本的なのを」
「白蘭様から落雁をいただいたので、ついでです」
「ついでで淹れられるお前がすげーぜバーロー」
抹茶は淹れるではなく点てるです、と小言を言う桔梗に耳を塞ぎながら聞き流したザクロは。
ふわふわとムースの様な緑色の泡が一面に広がる茶碗を眺めた。
「全員で回し飲みか?」
「色々と知識が混同しているようですが、濃茶ではないので一人一杯ずつありますよ」
濃茶って何だ、や、何で日本文化に詳しいんだよ、とか言いたくなったザクロだったが。
めんどくさそうな上に覚える気も無いので黙ることにした。
「…………桔梗、一つ聞いていいか?」
「ハハン、何ですか?」
「苦いのかバーロー」
真剣な顔で茶碗と対峙しながら聞くザクロに、クスリと笑い声を漏らしてしまった桔梗は。
笑い声に反応して睨んできたザクロに笑った事を誤魔化しながら優しく返した。
「一般的に抹茶が苦いと言うのは安物を使っているからですよ、もっとも、気になるようでしたらお菓子を先に食べてください」
「そうかよ」
さっそく小さい落雁に手をのばし口の中に放り込んだザクロは暫く黙り眉を寄せた後、抹茶を一気に飲み干した。
「……甘い、つーか甘ったる過ぎねーかこの菓子」
「ハハン、ある意味、落雁は砂糖の塊ですから」
結構なお手前で
「あと二、三杯くれバーロー」
「ハハン、もう少し味わって飲んでください」
end
(2010/04/26)