桔ザク

「ザクロ、起きてください。時間ですよ」

いつこうなったかは覚えていないが。
桔梗はいつもの事ながら寝起きの悪いザクロを揺さぶり、起こそうとした。

「ばーろぉ……あと5分」

むにゃむにゃと寝返りをうって、布団に包まるザクロは、まだ寝ようとする気が十分だった。


「先ほどから5分、5分と、何度言えば気がすむのですか貴方は?」

耳もとで声を荒げると、ザクロは枕を耳栓のようにかぶり布団の中に潜り込んで行った。

どこまでも往生際の悪い様子に呆れながら。
いつもの手を使うことにした。


「……ザクロ、今すぐ起きないと、襲いますよ?」


待つこと5秒……反応無し。


「仕方ありませんね」


ザクロが耳栓代わりにかぶっていた枕をはがし、無防備な顔に口を近づける。


……フッ


「うぎゃ!? 何すんだバーロォッ!!」
「ハハン、ようやく起きましたか?」

いきなり息を吹き込まれたのが驚いたのか。
飛び起きて耳もとをふさぐザクロ。

「毎日の事なんですから、もう少し起こされなくても起きてみてはいかがですか?」
「それができれば苦労しねーぜバーロー……」
「苦労しているのは私ですよ」
「……何してんだよ桔梗」

ため息をつきながらも自然に覆いかぶさって来る桔梗に対して質問する。

「ハハン、解りきっていることを……宣言どおり襲っているんですよ」
「起きただろバーローッ!!」
「5秒待ちましたから」


一方その頃。

「おそいねーあの2人?」
「遅刻の時」
「モニターで見ちゃおうかな~」

笑いながら白蘭は、手元にあるリモコンを操作しようとした。



ストロベリィまであと10秒
覗き見も大概にしましょう。


end
(2010/01/11)
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