桔ザク

「あ~、ヒマだバーロー」

バラバラとトランプの手札を落とし、ザクロはつまらなそうに椅子の背もたれへと身を預けた。

「ハハン、貴方はすぐそればかりですね……手札がいくら悪くても、途中で投げ出すのはルール違反ですよ?」

落とされた手札を拾いながら、二のワンペアですか、と呟く桔梗に。
気まずげに眉を寄せたザクロは不機嫌そうに口を開いた。

「だいたい、こんな運任せのゲームつまんねぇだろ」
「たしか、ババ抜きの時は二人でできるか、と言っていましたね?」

机に散乱していたカードをまとめながら桔梗は。
さらに渋い顔をして睨んでくるザクロを見てクスリと笑った。

「では、罰ゲームを始めますか? 貴方が退屈しないよう、極上の快楽を提供しますよ」
「始めからそれが目的だろバーロー」

呆れたように言うザクロに桔梗は笑みを深めた。

「ハハン、負けた貴方に悪戯ができて、貴方は快楽に浸れて、双方に利益があり、とてもよい事ではありませんか?」
「そのために、わざわざめんどくせぇイカサマまでしたってか?」
「イカサマは言いがかりです、トランプの絵柄が分かるものを使っただけですよ」

苦笑しながら桔梗は、集め終わったトランプをザクロの前へと置いた。
ジッとトランプの模様を睨んだザクロは、ポツリと呟いた。

「……イカサマだろバーロー」
「ハハン、気がつかない方が悪いのですよ、気がついていれば対等でしたから」



暇つぶしのゲーム
本番はその後?


end
(2010/04/02)
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