桔ザク

「ザクロ……疲れました」
「あ?」

急な一言と共に、そのまま抱きしめられ、押し倒された。

「おい、桔梗?」
「疲れました、何も考えたくありません」
「いや……まず退けバーロー」

重いとはあまり感じないが、邪魔だとは思うので桔梗へと声をかけるが。
桔梗は髪がほつれかかったまま、目を閉じて寝ようとしていた。

「桔梗、放せバーロー」
「いやです」
「……せめて自分の部屋で寝――」
「いやです」

こんなに我儘な奴だったかと思いつつ。
さらに強く抱きしめてくる桔梗にため息が出た。

「バーロー、後で覚えてろよ」



つかれ
たまになら許してやる


end
(2010/04/01)
万愚節の残り
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