桔ザク
「……よくこんな所で寝られるなバーロー」
部屋の中へ足を踏み入れたザクロは、中の状況を見て呆れながら呟いた。
何処を見回しても本、本、本……床がほとんど見えないほどの本の山がそこらじゅうにあった。
そんな中で、どうやればこんな所で眠れるのか、と思うほど狭い空白の中で桔梗が寝ていた。
開きかけの本が手にあるところを見ると、本を整理しようと思い、床に積み出したは良いが。
ふと興味のある本が見つかり読んでしまい、そのまま寝てしまった、っと言うところだろうか。
本の山を崩さないよう慎重に、のんきに寝ている桔梗に近づく。
「桔梗、起きろバーロー」
声をかけるが反応は無かった。
ため息をついてから、もう一度声をかけようとしたが、一瞬のためらいが出た。
何事も無いかのように寝ている桔梗は、まるで本を花へと変えれば、そのままどこかの童話の主人公のようで……
「……バーローぉ、起きろ、桔梗」
開きかけの本をとり、後ろへと放り投げると、本の山が崩れるような音がした。
それを無視して、まだ目を開けない桔梗に、そっと近づいた。
「ハハン、どうしましたザクロ?」
「ッ! バ、バーロォ、起きてたのか!?」
「あれだけ物音がすれば、誰でも起きると思いますが?」
「……っそ、そうかよ」
急にパッチリと目を開けた桔梗に、サッと離れ気まずげに外方を向いた。
そんなザクロに、クスリと笑いながら桔梗は口を開いた。
「それより、続きは無しでしょうか?」
「あ?」
「ハハン、先ほどの続きですよ」
「……欲張りな奴だなバーロー」
微笑んでいる桔梗に、若干呆れながら催促に答える事にした。
起こす手段は
古くからの伝統で
end
(2010/04/01)
万愚節の残り
部屋の中へ足を踏み入れたザクロは、中の状況を見て呆れながら呟いた。
何処を見回しても本、本、本……床がほとんど見えないほどの本の山がそこらじゅうにあった。
そんな中で、どうやればこんな所で眠れるのか、と思うほど狭い空白の中で桔梗が寝ていた。
開きかけの本が手にあるところを見ると、本を整理しようと思い、床に積み出したは良いが。
ふと興味のある本が見つかり読んでしまい、そのまま寝てしまった、っと言うところだろうか。
本の山を崩さないよう慎重に、のんきに寝ている桔梗に近づく。
「桔梗、起きろバーロー」
声をかけるが反応は無かった。
ため息をついてから、もう一度声をかけようとしたが、一瞬のためらいが出た。
何事も無いかのように寝ている桔梗は、まるで本を花へと変えれば、そのままどこかの童話の主人公のようで……
「……バーローぉ、起きろ、桔梗」
開きかけの本をとり、後ろへと放り投げると、本の山が崩れるような音がした。
それを無視して、まだ目を開けない桔梗に、そっと近づいた。
「ハハン、どうしましたザクロ?」
「ッ! バ、バーロォ、起きてたのか!?」
「あれだけ物音がすれば、誰でも起きると思いますが?」
「……っそ、そうかよ」
急にパッチリと目を開けた桔梗に、サッと離れ気まずげに外方を向いた。
そんなザクロに、クスリと笑いながら桔梗は口を開いた。
「それより、続きは無しでしょうか?」
「あ?」
「ハハン、先ほどの続きですよ」
「……欲張りな奴だなバーロー」
微笑んでいる桔梗に、若干呆れながら催促に答える事にした。
起こす手段は
古くからの伝統で
end
(2010/04/01)
万愚節の残り