桔ザク

「そうやってると、まるで母親か?」
「ハハン、では貴方が父親ですか?」
「……突っ込めよバーロー」

抱きついて寝ているブルーベルを膝の上に乗せている桔梗の隣へ座りながら、ザクロは呆れたように眺めた。

「で、何でそんな状況になってんだ?」
「ハハン、嫉妬ですか?」
「誰にだバーロー、つーか質問を質問で返すな」
「失礼しました…………ブルーベルが眠れないと言うものですから」

スヤスヤと眠るブルーベルを抱え直しながら、桔梗はザクロへと答えた。

「あ? 寝てるだろバーロー?」

ザクロの言葉に苦笑しながら、桔梗は目を細めながら呟いた。

「時々、不安になるようです……特に貴方がいない時に」
「……電波ちゃんの考えはわかんねーなバーロー」

口を尖らせながら言うザクロに、クスクスと笑いながら桔梗は口を開いた。

「ハハン、嫉妬してしまいそうですよ?」
「誰にだバーロー」
「そうですね、しいて言うならブルーベルにですか?」
「ガキ相手に大人げねーなバーロー」

首を傾げながら本気で答えた桔梗に、呆れながら言葉を返したが。
慈しむ様にブルーベルを抱いている桔梗を見て、俺の方も大人気ないか、とザクロは心内で呟いた。



大人の考え
ガキに嫉妬してる時点で、十分に大人気ない


end
(2010/04/01)
万愚節の残り
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