桔ザク
「ききょーのバーロォッ! 女とでもくっついて百合にでも見られてろ!!」
「……その前に僕チンが桔梗に殺されそうなんだけど」
涙眼のデイジーは、酔っぱらって抱きついてくるザクロへと抗議をするが、愚痴が続くばかりだった。
「あのやろー見せつけやがって、そんなに女にもてる男がえらいのかぁ!?」
「ザクロ、見当違いだってば……」
どう見ても桔梗はザクロのことしか見てないのに。
その事に気がつかないザクロは、女にもてる桔梗にイラついて酒を呷るばかりだった。
不運にもそんな酔っぱらいに捕まったデイジーは、こんな状況を桔梗に見られたらと泣きたくなった。
「俺だって巨乳のねーちゃんに言い寄られてぇんだよ、何が悲しくてムッサイ男共に言い寄られんだバーロー!!」
「た、大変だったね……」
「そう思うだろデイジー! 俺がそんなにガチホモに見えんのか!?」
「あの、とりあえず放して……」
下手な相槌を打ったばかりに、さらにデイジーは絡まれる事となった。
「あ゛ーバーロー! 男に言い寄られただけで鳥肌もんだろ!!」
「抱きつかれてる僕チンは冷や汗ものなんだけど……」
機嫌の悪い相手には逆らわない方がいいと分かっているデイジーは、なんとか穏便にすませられないかと考えていたが。
ボソボソと呟くだけでは抱きしめながら怒鳴るザクロには聞こえなかった。
「だいたいなー……」
「ザ、ザクロ!?」
ボロボロと泣きだし始めるザクロに、慌てながら驚いた。
「……なんで男にばっか言い寄られんだバーロぉ」
怒り上戸の次は泣き上戸にでもなったかのように、嗚咽をあげながら、さらに強く抱きついてくるザクロに。
急に泣きつかれたデイジーは、思わず抱きしめ返してなだめる様に背中をさすった。
「ききょーなんて嫌いだ、見せつけやがって……」
「…………違うと思うけど」
ザクロの背をさすりながら、なんとなく疑問に思うデイジーだったが。
子供の様に泣くザクロを放っておくことができなくなっていた。
「女の方がいいならさっさと言いやがれバーロー」
「絶対言わないよきっと……」
あの桔梗なら、仮にザクロから別れ話を持ちかけても絶対に別れようとしないぐらい好きなのに。
何で伝わらないんだろ、と内心で不思議に思いながら、泣き続けるザクロに対して呟いた。
「嫌いだバーロぉ、男も女もいなくなっちまえ……」
「虐殺の時になったら僕チンも手伝うから……泣かないでよザクロ」
服が濡れるのもかまわず、ザクロを抱きしめ返しなだめようとするが。
一向に泣きやみそうになく、ただ強く抱きつかれるだけだった。
「……ザクロ?」
暫くすすり泣いていたザクロは、抱きついたまま小さな寝息をたてて眠り始めていた。
抱きついていた腕をなんとか外し。
まだ涙の痕が残るザクロをソファーへと横たえながら、ため息が出てきた。
無理なこと
「……やっぱり桔梗じゃないと……僕チンじゃ何もできないよ」
end
(2010/03/30)
「……その前に僕チンが桔梗に殺されそうなんだけど」
涙眼のデイジーは、酔っぱらって抱きついてくるザクロへと抗議をするが、愚痴が続くばかりだった。
「あのやろー見せつけやがって、そんなに女にもてる男がえらいのかぁ!?」
「ザクロ、見当違いだってば……」
どう見ても桔梗はザクロのことしか見てないのに。
その事に気がつかないザクロは、女にもてる桔梗にイラついて酒を呷るばかりだった。
不運にもそんな酔っぱらいに捕まったデイジーは、こんな状況を桔梗に見られたらと泣きたくなった。
「俺だって巨乳のねーちゃんに言い寄られてぇんだよ、何が悲しくてムッサイ男共に言い寄られんだバーロー!!」
「た、大変だったね……」
「そう思うだろデイジー! 俺がそんなにガチホモに見えんのか!?」
「あの、とりあえず放して……」
下手な相槌を打ったばかりに、さらにデイジーは絡まれる事となった。
「あ゛ーバーロー! 男に言い寄られただけで鳥肌もんだろ!!」
「抱きつかれてる僕チンは冷や汗ものなんだけど……」
機嫌の悪い相手には逆らわない方がいいと分かっているデイジーは、なんとか穏便にすませられないかと考えていたが。
ボソボソと呟くだけでは抱きしめながら怒鳴るザクロには聞こえなかった。
「だいたいなー……」
「ザ、ザクロ!?」
ボロボロと泣きだし始めるザクロに、慌てながら驚いた。
「……なんで男にばっか言い寄られんだバーロぉ」
怒り上戸の次は泣き上戸にでもなったかのように、嗚咽をあげながら、さらに強く抱きついてくるザクロに。
急に泣きつかれたデイジーは、思わず抱きしめ返してなだめる様に背中をさすった。
「ききょーなんて嫌いだ、見せつけやがって……」
「…………違うと思うけど」
ザクロの背をさすりながら、なんとなく疑問に思うデイジーだったが。
子供の様に泣くザクロを放っておくことができなくなっていた。
「女の方がいいならさっさと言いやがれバーロー」
「絶対言わないよきっと……」
あの桔梗なら、仮にザクロから別れ話を持ちかけても絶対に別れようとしないぐらい好きなのに。
何で伝わらないんだろ、と内心で不思議に思いながら、泣き続けるザクロに対して呟いた。
「嫌いだバーロぉ、男も女もいなくなっちまえ……」
「虐殺の時になったら僕チンも手伝うから……泣かないでよザクロ」
服が濡れるのもかまわず、ザクロを抱きしめ返しなだめようとするが。
一向に泣きやみそうになく、ただ強く抱きつかれるだけだった。
「……ザクロ?」
暫くすすり泣いていたザクロは、抱きついたまま小さな寝息をたてて眠り始めていた。
抱きついていた腕をなんとか外し。
まだ涙の痕が残るザクロをソファーへと横たえながら、ため息が出てきた。
無理なこと
「……やっぱり桔梗じゃないと……僕チンじゃ何もできないよ」
end
(2010/03/30)