桔ザク

「手首でも貫いて固定すれば、抵抗されないんじゃねーかバーロー?」
「ハハンッ、貴方に無粋な痕を残したくないだけですよ」

手枷と言うには美麗なツルを纏わりつかせたザクロは。
覆いかぶさる桔梗を軽く睨み、呆れながら呟いた。

「紅い痕は残すのにか?」
「貴方の肌に散る花弁は美しいですから」

首筋に舌を這わせ、顔を埋める桔梗に。
僅かに顔をしかめたザクロは、ビクリと体が跳ねた。

「お前の美意識がわからねーぜバーロー……つーか、目立つところにつけんな」
「ハハン、失礼しました、無自覚にも誘い込む貴方に我慢ができなかったので」
「俺のせいか?」
「そう言うところが、無自覚で困りますね……貴方がどれほど魅力的か、分からせたいところです」
「お前の方がよっぽど無自覚だろ、外に出れば蝶を引き寄せる花かよ」
「ハハン、嫉妬ですか?」
「勝手に解釈しろバーロー」

抵抗の一つもしないザクロを見下ろしながら。
本当に無自覚すぎて困りますね、と呟いた。

「ザクロ、私以外にその体を触らせないでくださいね?」
「予約料は高いぜバーロー」
「ハハン、では、前払いでお願いします」



予約済み
代金は快楽で


end
(2010/03/27)
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