桔ザク

「桔梗、起きろ」
「ハハン……何ですか?」

眠たげな目を開け、ザクロを見る桔梗は小さく欠伸をつき、横目で近くにあった時計を見た。
起き上がり、現在の時間に呆れながらザクロへと、ため息をつきながら口を開いた。

「……午前二時、ですか……こんな時間に起こさないでください」
「ヤるぞバーロー」
「ハハン?」

聞きなれない言葉に、思わず聞き返した桔梗を無視して、ザクロは桔梗の服に手をかけた。

「ザクロ、何をしているんですか?」
「ヤるつってんだろ、服が必要か?」
「待ってください……つまり、貴方は今すぐセックスをしたいわけですか?」
「じゃなかったら、こんな事するかバーロー」
「私が下ですか?」
「お前にやる気が無いんならな」
「ハハン、ご冗談を、貴方がやる気なのは珍しいですから、いくらでもお答えしますよ」

服を脱がそうとしていたザクロの手首を掴み。
瞳を見つめながら、顔を近づけていった。

「…………ザクロ……寝ぼけてすることなら、それなりの覚悟のもとでしょうね?」

肩口へと擦り抜けたザクロを支えながら、聞こえてくる寝息に微苦笑をして呟いた。

「ハハン、覚えておいてくださいね、ザクロ」

もたれ掛かってくるザクロをベッドへと横たえ、服を着直しながら。
時計を再確認して、ため息が出てきた。



草木も眠る時
振り回される紛らわしい言動


end
(2010/03/23)
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