「桔梗、受け取れバーロー」
「ハハン……今日は槍でも降るのでしょうか？」
「俺がバレンタインの返しをすんのが、そんなに珍しいかバーローッ!!」
「冗談ですよ」

顔を赤くしながら怒鳴るザクロに苦笑しながら、ラッピングもされていないお菓子の袋を受け取った。

「ハハン、ありがとうございます」
「……貰ったもんは、しかたねーからなバーロー」

貰ったと言うより、その後貰われた、と言った方が早い事もあったが。
貰った事には変わりしない、と不貞腐れたようにザクロは言った。

まさかザクロからお返しが貰えるとは思わなかった桔梗は。
お菓子の袋がラッピングされていないところも貴方らしいですね、と苦笑しながら袋を眺めた。

「……ザクロ、この袋ですが……どこかで見たような気が……」

パッケージに書かれていた中身を表すロゴに。
微笑んでいた口もとを若干引きつらせながら桔梗はザクロへと質問した。

「あ？　当たり前だろ、白蘭様に貰ったやつだからな」
「……ハハン、ザクロ、少し話があります」

Marshmallow　と書かれた見覚えのありすぎる袋を片手に。
桔梗はザクロの手を引きながら手短にあった部屋へと入って行った。



いくらなんでも
人から貰った物を渡さないでください


end
（2010/03/14）