桔ザク
「目覚めの時」
「……起こしに行かないと」
トリカブトの声に起こされ。
ボーっとする頭を振りながらデイジーはベッドから起き上がり、ブブを抱えながら自分の部屋を出た。
まずは、一番起こしづらそうに見えて、実はすぐに起きてくれるザクロの部屋へと歩いていった。
「ザクロ、起きて、目覚めの時間だよ」
扉をノックしながら声をかける……勿論こんな事ですぐに起きてくれるわけは無い。
すぐに起きてくれると言っても、他の真6弔花であるブルーベルや桔梗に比べて、と言うだけであった。
「入るよ?」
扉を開けて寝室へと歩いていく、案の定まだ布団に包まりながら寝ていた。
「ザクロ、起きて、目覚めの時間だってば!!」
ザクロの体を布団ごと大きく揺らすと、
暫くしてからうめき声の様なダルそうな声が聞こえてきた。
「ばーろー……何だよ?」
「目覚めの時間だよザクロ」
「あー……そうか」
のろのろと布団から出て起き上がったザクロは眠たげに返事を返した。
「桔梗を起こしてきて、僕チンはブルーベルを起こしに行くから」
「うぃ~……」
うめき声なのか返事なのかよく分からない声を出したザクロはズルズルと歩いていった。
「ふぅ……次はブルーベルか……」
正直に言って一番の難関だと思うデイジーだった。
「ブルーベル、入るよ?」
ブルーベルに扉の前で声をかけたぐらいでは起きないことを十分に解っているデイジーは、始めから部屋の中へと入って行った。
「……また全裸だ……」
女の子としてどうなのかと思うほどの大の字で寝ている……
「はぁ……目のやり場に困るのに……」
蹴り飛ばされていた布団をかけなおし、軽く肩を揺する。
「ブルーベル、起きて、目覚めのj……ぼばっ!?」
声をかけた瞬間に蹴り飛ばされた……勿論まだブルーベルは起きていない。
「どうだザクロ、参ったか~」
夢の中でザクロを蹴り飛ばしたのであろうブルーベルは、ニヨニヨと笑っていた。
「ブ、ブルーベル……おき……ぐはっ!?」
何とか近づきながら、もう一度声をかけたデイジーは、今度はみぞおちに半回し蹴りを入れられた。
『寝相が悪いにもほどがあるよ……』
繰り返すこと数十回、ブルーベルはようやく寝ぼけながら起きた。
「ふぁ~、ねむいぜバーロー」
ズルズルと足を引きずりながら、ザクロは桔梗の部屋へと歩いていく。
ねむいぜ、と言いつつまだ寝ぼけ眼だった。
「桔梗、入るぜ」
ノックもせずに桔梗の部屋へと入るザクロ。
寝室へと行くと、一番寝相が良く、おそらく一番厄介な桔梗が寝ていた。
「桔梗、起きろよバーロー」
肩を揺らすと、数秒もしない内に桔梗は目を開けた。
「……どうしました、ザクロ?」
「起きろ、朝だ」
「ハハン、まだ良いじゃありませんか? どうですか、一緒に寝ませんか」
ニッコリと笑い、囁きかける桔梗……
だが、まだ少しも起きていなかった。
「あ~……でもなぁ」
「後五分ほど遅れても、何も言われませんよ」
「……そうか?」
布団を持ち上げ招き入れる桔梗の言葉に、あっさりとのったザクロは桔梗のベッドへと入り込んだ。
朝の寒い中、ホカホカと温まっている布団は逃れにくいもので、
ザクロは桔梗に寄り添いながら、うとうとと寝てしまった。
これが、真6弔花の中で一、二を争うほど起こしづらい桔梗の手口だった……
起こしに行く人は、起きてから行きましょう
「…遅いなぁ、ザクロと桔梗」
「なによ、まだ起きなくても良かったじゃない!!」
end
(2010/01/25)
「……起こしに行かないと」
トリカブトの声に起こされ。
ボーっとする頭を振りながらデイジーはベッドから起き上がり、ブブを抱えながら自分の部屋を出た。
まずは、一番起こしづらそうに見えて、実はすぐに起きてくれるザクロの部屋へと歩いていった。
「ザクロ、起きて、目覚めの時間だよ」
扉をノックしながら声をかける……勿論こんな事ですぐに起きてくれるわけは無い。
すぐに起きてくれると言っても、他の真6弔花であるブルーベルや桔梗に比べて、と言うだけであった。
「入るよ?」
扉を開けて寝室へと歩いていく、案の定まだ布団に包まりながら寝ていた。
「ザクロ、起きて、目覚めの時間だってば!!」
ザクロの体を布団ごと大きく揺らすと、
暫くしてからうめき声の様なダルそうな声が聞こえてきた。
「ばーろー……何だよ?」
「目覚めの時間だよザクロ」
「あー……そうか」
のろのろと布団から出て起き上がったザクロは眠たげに返事を返した。
「桔梗を起こしてきて、僕チンはブルーベルを起こしに行くから」
「うぃ~……」
うめき声なのか返事なのかよく分からない声を出したザクロはズルズルと歩いていった。
「ふぅ……次はブルーベルか……」
正直に言って一番の難関だと思うデイジーだった。
「ブルーベル、入るよ?」
ブルーベルに扉の前で声をかけたぐらいでは起きないことを十分に解っているデイジーは、始めから部屋の中へと入って行った。
「……また全裸だ……」
女の子としてどうなのかと思うほどの大の字で寝ている……
「はぁ……目のやり場に困るのに……」
蹴り飛ばされていた布団をかけなおし、軽く肩を揺する。
「ブルーベル、起きて、目覚めのj……ぼばっ!?」
声をかけた瞬間に蹴り飛ばされた……勿論まだブルーベルは起きていない。
「どうだザクロ、参ったか~」
夢の中でザクロを蹴り飛ばしたのであろうブルーベルは、ニヨニヨと笑っていた。
「ブ、ブルーベル……おき……ぐはっ!?」
何とか近づきながら、もう一度声をかけたデイジーは、今度はみぞおちに半回し蹴りを入れられた。
『寝相が悪いにもほどがあるよ……』
繰り返すこと数十回、ブルーベルはようやく寝ぼけながら起きた。
「ふぁ~、ねむいぜバーロー」
ズルズルと足を引きずりながら、ザクロは桔梗の部屋へと歩いていく。
ねむいぜ、と言いつつまだ寝ぼけ眼だった。
「桔梗、入るぜ」
ノックもせずに桔梗の部屋へと入るザクロ。
寝室へと行くと、一番寝相が良く、おそらく一番厄介な桔梗が寝ていた。
「桔梗、起きろよバーロー」
肩を揺らすと、数秒もしない内に桔梗は目を開けた。
「……どうしました、ザクロ?」
「起きろ、朝だ」
「ハハン、まだ良いじゃありませんか? どうですか、一緒に寝ませんか」
ニッコリと笑い、囁きかける桔梗……
だが、まだ少しも起きていなかった。
「あ~……でもなぁ」
「後五分ほど遅れても、何も言われませんよ」
「……そうか?」
布団を持ち上げ招き入れる桔梗の言葉に、あっさりとのったザクロは桔梗のベッドへと入り込んだ。
朝の寒い中、ホカホカと温まっている布団は逃れにくいもので、
ザクロは桔梗に寄り添いながら、うとうとと寝てしまった。
これが、真6弔花の中で一、二を争うほど起こしづらい桔梗の手口だった……
起こしに行く人は、起きてから行きましょう
「…遅いなぁ、ザクロと桔梗」
「なによ、まだ起きなくても良かったじゃない!!」
end
(2010/01/25)