断片話

◆朝寝


「ハハン、ブルーベルが起こしに来たはずですよ?」
「そうだったかバーロー?」
「あれから二十分ほどたっていますよ」
「時間が経つのは早いな」
「少しは悪びれなさい」
「わかってるぜバーロォ」

のろのろと着替え始めれば、桔梗が追加をするように口を開いた。

「ザクロ、早めにお願いしますよ?」
「先行ってろバーロー。人の着替え最後まで見てく気か?」
「貴方が望むなら是非に」

からかうように軽やかに言われた言葉に、近くにあった枕を桔梗に向かって投げつけた。

「ハハン、危ないですね」

投げつけられた枕を片手で受け止めた桔梗は、ベッドに枕を戻してから部屋を出て行った。


(2011/04/08)
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