断片話
◆とらえ方の違い
声を立てて笑う桔梗に、一気に顔が赤くなった。
「バーロォ! 何が可笑しいんだ!!」
「ハハンッ、いえ……何と言いますか、見当違い過ぎる考え方に少々」
「バカにしてるだろテメェ!!」
呼吸を整えようとする姿すら腹立たしく、ザクロは桔梗に向かって怒鳴った。
ひとしきり笑い、落ち着いた桔梗は笑いが零れそうになるのを抑えて、ザクロへと向き直った。
「つまり、貴方が私を無視していた理由は、私が女性といたから、と言うことですね?」
「……どーせ、もてねー男の僻みだって思ってんだろバーロー」
「ハハン、いいえ、可愛らしい理由だと思いましたよ」
「かわいらしいだぁ?」
自分に対して使われた似合わない言葉に、眉間の皺を深くしながらザクロは聞き返した。
■
「私は、女性といても楽しくはありませんでしたよ」
桔梗の言葉をもてる男の余裕だと解釈したザクロは、不貞腐れたように呟いた。
「嫌みだろバーロー」
「ハハン、貴方にしか興味がないので、その他はどうでもいいだけですよ」
「そーか……って、ちょっと待て、桔梗」
「何ですか?」
「今、聞き捨てならねぇ理由を聞いた気がするが、俺の気のせいか?」
(2011/04/02)
声を立てて笑う桔梗に、一気に顔が赤くなった。
「バーロォ! 何が可笑しいんだ!!」
「ハハンッ、いえ……何と言いますか、見当違い過ぎる考え方に少々」
「バカにしてるだろテメェ!!」
呼吸を整えようとする姿すら腹立たしく、ザクロは桔梗に向かって怒鳴った。
ひとしきり笑い、落ち着いた桔梗は笑いが零れそうになるのを抑えて、ザクロへと向き直った。
「つまり、貴方が私を無視していた理由は、私が女性といたから、と言うことですね?」
「……どーせ、もてねー男の僻みだって思ってんだろバーロー」
「ハハン、いいえ、可愛らしい理由だと思いましたよ」
「かわいらしいだぁ?」
自分に対して使われた似合わない言葉に、眉間の皺を深くしながらザクロは聞き返した。
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「私は、女性といても楽しくはありませんでしたよ」
桔梗の言葉をもてる男の余裕だと解釈したザクロは、不貞腐れたように呟いた。
「嫌みだろバーロー」
「ハハン、貴方にしか興味がないので、その他はどうでもいいだけですよ」
「そーか……って、ちょっと待て、桔梗」
「何ですか?」
「今、聞き捨てならねぇ理由を聞いた気がするが、俺の気のせいか?」
(2011/04/02)