断片話

◆散歩


「ハハン、貴方という人は……」

ベンチに座って眠り始めているザクロに対し、呆れを通り越して感心すらしてきた。

「仕方ありませんね」

そう言っている自身も本を持参しているので、ある意味予想通りの展開だったのかもしれなかった。

「貴方には暖かな日差しも、小鳥のさえずりも、子守唄がわりでしかないようですね」



(2011/04/01)
48/80ページ