断片話

◆脳裏
(注:過去捏造)

「羨ましいですよ、貴方にずっと想われている人物が」

故郷を捨て、もう一度会いたいと願い、悪魔の手までとった。
そこまで想われている人物に嫉妬をした。
すでにいない人物だからこそ、余計に敵わないことが分かり、ぶつけようのない苛立ちがあった。浅はかで、醜いと分かってはいる。それでも時折、相手の全てを自分の物にしたいと心の奥底で考えた。


(2011/04/01)
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