断片話

◆四月馬鹿


「好きだぜバーロー」
「……ザクロ、少しいいですか?」

ニッコリと微笑みながら、桔梗は手の内に雲桔梗を出し始めた。

「まて!? ちょっとした冗談だろ!?」
「ハハン、洒落になりませんよ、今日に限っては」
「お前だって分かってんだろバーロー!」
「ええ、よく分かっていますよ。私の事が嫌いだと言いたいのですね? 悲しいことですが、仕方ありません。その体によく教え込みましょう、今後そのような事が二度と言えないよう――」
「冗談だって言ってんだろバーロォ!!」


(2011/04/01)
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