断片話
◆不用意な行動
「ハハン、やはり貴方は下にいる方が似合いますよ。ザクロ」
押し倒されている状況下で、桔梗は苦笑を隠そうともしなかった。
その態度に若干顔を顰めたザクロは、それでも自分の下にいる桔梗に対してニヤリと笑った。
「ああ? 何がだバーロォ。お前が俺の上に跨って動いてくれんのか?」
「そんな意味ではありませんよ。貴方は私の下で喘いでいる方がお似合いだと言っただけです」
「何だとバーロー!!」
今度こそ盛大に顔を顰めたザクロ。
自分の優位さがまったく伝わっていない相手に対して不快に感じた。
「第一に、何故自分が優位だと思っているのですか?」
「見りゃ分かるだろ! 俺はテメェを押し倒してるだろ!?」
「ハハンッ、この程度で優位だと思うのは早いと思いますが」
■
きつく拘束され力の入らない指。
丁寧に相手から指輪を外した桔梗は、外した物を床へと放った。
「マーレリングを外させようとしなかったのは愚行でしたね。私も貴方も、真6弔花の一員ですよ? その事を忘れている様な行動は命取りになります」
「ちょ、まて桔梗!! 冗談に決まってんだろッ」
「ハハン、冗談にしては。随分と念の入った扱いようでしたね」
微笑みながらも弦を解こうとせず、逆にさらに弦はきつくなった。
青ざめたザクロは床へと転がるマーレリングへと視線を走らせた。
「安心してください。仮にもトゥリニセッテの一角を担うマーレリングですよ? 損傷などはできていませんよ」
視線を走らせた意味を知っていながら優しく助言をする桔梗。
痛いほどの拘束に指一本さえ動かせないザクロは歯軋りをした。
(2011/03/11)
「ハハン、やはり貴方は下にいる方が似合いますよ。ザクロ」
押し倒されている状況下で、桔梗は苦笑を隠そうともしなかった。
その態度に若干顔を顰めたザクロは、それでも自分の下にいる桔梗に対してニヤリと笑った。
「ああ? 何がだバーロォ。お前が俺の上に跨って動いてくれんのか?」
「そんな意味ではありませんよ。貴方は私の下で喘いでいる方がお似合いだと言っただけです」
「何だとバーロー!!」
今度こそ盛大に顔を顰めたザクロ。
自分の優位さがまったく伝わっていない相手に対して不快に感じた。
「第一に、何故自分が優位だと思っているのですか?」
「見りゃ分かるだろ! 俺はテメェを押し倒してるだろ!?」
「ハハンッ、この程度で優位だと思うのは早いと思いますが」
■
きつく拘束され力の入らない指。
丁寧に相手から指輪を外した桔梗は、外した物を床へと放った。
「マーレリングを外させようとしなかったのは愚行でしたね。私も貴方も、真6弔花の一員ですよ? その事を忘れている様な行動は命取りになります」
「ちょ、まて桔梗!! 冗談に決まってんだろッ」
「ハハン、冗談にしては。随分と念の入った扱いようでしたね」
微笑みながらも弦を解こうとせず、逆にさらに弦はきつくなった。
青ざめたザクロは床へと転がるマーレリングへと視線を走らせた。
「安心してください。仮にもトゥリニセッテの一角を担うマーレリングですよ? 損傷などはできていませんよ」
視線を走らせた意味を知っていながら優しく助言をする桔梗。
痛いほどの拘束に指一本さえ動かせないザクロは歯軋りをした。
(2011/03/11)