断片話

◆片肩車
(ザク+ブル)

「上向いて口開けて、雪でも食う気かバーロー?」
「口なんか開けてないわよ! 食い意地のはったザクロじゃないもん」
「何だとバーロォ!」

それでも上を向いてばかりのブルーベルはろくに返事を返さなかった。

「ニュッ!? 何するのよ!」
「バーロー、素足で雪の中って、電波過ぎんのも大概にしろよ?」
「レディーにこの運び方は失礼よ!」
「何処にレディーがいるんだ?何処によぉ」
「ニュ~、この!!」
「いっ!? バーロォ! 髪引っ張るな!」

肩に担ぎ上げられているブルーベルはザクロの髪をこれでもかと引っ張りながら抗議した。

「せめて米俵みたいに担ぐのは止めてよ!!」
「わかった! 分かったから放せバーロー!!」



「始めからこうすればよかったのよ」
「重いぜバーロー、疲れたから降ろすぞ?」
「まだ一分もたってないじゃない!! ブルーベルはそんなに重くないもん!」
「あー、肩が凝ったぜバーロー」
「ふん、ザクロが運ぶって言い出したんでしょ?」


(2011/03/01)
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