断片話

◆爪痕


「ハハン、ようやく頼る気になりましたか?」

背に腕を回され、爪を立てられる中、桔梗は嬉しそうに笑った。
荒い息のまま爪を立てるザクロは、中の感覚に眉を寄せながら呟いた。

「ッ…バーロぉ……こうでもしねーと、許さねぇつったのは…お前だろ」
「おや、そうでしたか?」
「いいから…さっさとしろ」
「ハハンッ、仰せの通りに」


(2011/02/17)
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