断片話

◆純白の罠
(桔+白)

「白蘭様、一つよろしいでしょうか?」
「ん? 何かな、桔梗チャン」
「ザクロが真6弔花へ入るきっかけとなった人物、白蘭様は死なせない方法を知っていたのでは?」
「桔梗チャン。それを訊くのは野暮じゃないかな? 何かを失ってた方がもっと強くなってくれるでしょ?」
「ハハン、さすが白蘭様。お人が悪い」

喉の奥で苦笑しながら、桔梗は紅い人物を想った。
解っていながら白い手をとったのか、それとも、ただ純粋に騙されたのか。
どちらにしても悪魔のような人物に目をつけられた時点で、逃れようのないものだったのかもしれない。


(2011/02/13)
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