小話

【ツンデレなんていりません】
(桔ザク+白→正)


「正チャンて僕に対してだけツンデレっぽいんだよね」

憂いを含めながら言う白蘭に、桔梗は呆れてものも言いたくなかったが、慰めの言葉をかけた。

「それは……御辛いことですね」
「うん……でも最近は逆に考えるようにしたんだ、僕だけにツンデレを発揮するってことは、正チャンは僕に対して特別扱いしてるんだって」
「………………ハハン、そうですか」

けっして、それはツンデレではなく、単純に嫌がられているのではとは言えなかった。

「桔梗、お前こんなところにいやがったのか」
「ザクロ……もう少し時間がかかりそうです」
「そーかよ……早めに切り抜けろよバーロー」

白蘭の様子を横目で見たザクロは、桔梗に対し声をかけた。
その言葉に思わず桔梗は、延々と正一について語る白蘭を放置し、思い切り抱きしめたくなった。


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