小話

【きょうふのみそ汁】


「今日の夕食は何だ?」
「ハハン、きょうふのみそ汁です」
「そーかバーロー」

桔梗の言葉に、また洒落を言ってるのかと軽く流したザクロ。
恐怖と今日麩、意外と分かりやすい洒落だったなと、興味を無くした様に食卓に着いた。

「…………みそ汁か?」

ヒクリと口元を引きつらせたザクロ。
目の前で異臭を放つ液体を眺め、次に桔梗を見た。

「ですから、言ったはずですよ? 恐怖のみそ汁だと」
「何がありゃこんな風になるってんだバーロー……」
「ブルーベルが一人で作りました、残さず飲みましょう」

大人の役目ですから、と桔梗がみそ汁(?)を飲み始めるので、ザクロは意を決して碗を手に取った。


end
26/29ページ