桔ザク

「もし、明日世界が無くなるとして、貴方はどうしますか?」

唐突な言葉だった。

そもそも、ベッドでやる事をやって、目を閉じて寝ようとしている時に言う質問かよと思いながら。
疲れて今にも閉じようとする目を開け桔梗を見る。


「どうしますか、ザクロ?」

まるで朝食のメインを何にしますか、とでも言いそうなほど軽く聞いてくる。
んなもんに答えてる間に寝てぇぜ俺は……

「……テメーといられるなら、どうでも良いぜバーロー」
「ハハン、とても嬉しい答えですが……面倒だからと言ってご機嫌伺いの回答は受け付けませんよ」
「チッ……」


めんどくせー……


「どうしますか?」


しつこく聴いてくる桔梗。
なんで、んな面倒なこと考えてんだよ。

「……何もしねーよ、無くなんなら勝手に無くなれば良いんだよ、そんなもん」
「ハハン、貴方らしいですよ……とても」
「お前はどうなんだよバーロー」
「さぁ……どうでしょう?」

桔梗が笑いながら首を傾げると、サラリと髪が滑り落ちて視界を染めた。


「バーロ、くすぐってーよ」

サラサラとした髪が顔にかかってくる。
桔梗は髪を掻き上げ、軽くキスを降らせた……


「願わくは……貴方と一緒にいたいですよ」



もし、なんて、バカな質問でした……
「何か言ったか?」
「いいえ……何も」


end
(2010/01/17)
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