小話

【無理な注文】


髪を整え終わった桔梗が、ザクロに向かって注文をつけるように口を開いた。

「できれば、私は残して欲しいのですが」
「ああ?」
「勿論、シーツを掴んで耐えている姿も、とても素敵ではありますよ?」
「……だから、何の話だバーロー?」

話の飛びすぎている桔梗へと眉を寄せながら聞き返すと、桔梗は笑いながらサラリと答えた。

「ハハンッ、貴方が私にしがみついた時にできる引っかき傷の事です」
「なっ!?」
「次はつけてくださいね?」
「できるかバーロォ!」


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