小話
【掴まれた服】
「ハハンッ、どうかしましたか?」
人込みの中で桔梗が振り向くと、逆に驚いたようにザクロが目を見開いた。
「ああ? 何がだバーロー」
「置いて行かれそうだと思ったのですか?」
瞬きをして不思議そうに桔梗を見ていたザクロは、ふと、自分の手が桔梗の服を掴んでいたことに気がついた。
「ッ、バーロォ! お前がスイスイ歩いてくからだろ!!」
「……そう言えば、貴方は人込みに慣れていませんでしたね」
手でも繋ぎますか? と桔梗が親切に言うと、肩を震わせながらザクロが盛大に怒鳴った。
end
「ハハンッ、どうかしましたか?」
人込みの中で桔梗が振り向くと、逆に驚いたようにザクロが目を見開いた。
「ああ? 何がだバーロー」
「置いて行かれそうだと思ったのですか?」
瞬きをして不思議そうに桔梗を見ていたザクロは、ふと、自分の手が桔梗の服を掴んでいたことに気がついた。
「ッ、バーロォ! お前がスイスイ歩いてくからだろ!!」
「……そう言えば、貴方は人込みに慣れていませんでしたね」
手でも繋ぎますか? と桔梗が親切に言うと、肩を震わせながらザクロが盛大に怒鳴った。
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