小話

【表も裏も同じように】


視界に入る物体に無条件で殺意が生まれそうだった。

「…………燃やすかバーロー」

こんなくだらない物を買ってきたであろう桔梗には悪いが、燃やす以外の選択肢はなかった。
灰にしてこの世から消してやろうとマーレリングに炎をともした。

「ハハンッ、勿体無いと思いませんか?」
「ッ!?」

ガシリと手首を掴まれ、仄かにともしていた炎を消してしまった。

「せっかく買ったのですから使いませんか?」
「バーロォ! 強制的な意思決定はいらねえ!!」

YESばっかの枕なんているか!!


end
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