パロ系
「食うならさっさとしろバーロォ」
「ハハン、いさぎが良いですね。ですが、非常食用と言ったはずですよ?」
カプリと黒い兎耳を甘噛みしながら、耐えるように目を瞑る相手を楽しげに見た。
「いつまで置いておくつもりだ……ッ」
「少し黙って頂けますか? 味見の最中ですから」
「バーロー、一思いに噛み殺せば良いだろ」
首筋を舐められる感触にビクリと反応しながら、その口から出てくるのは折れることのない自尊心からの挑発。
「鮮度を落としたくないだけです、非常食として食べるときに腐っていては話になりませんから」
「お前に非常食が必要か? 今日も血の匂いさせてるのによぉ」
「ハハン、備えあれば憂いなしという言葉を知らないのですか? それと、私は非常食にこそ上質の物を揃えたい性質です、その点貴方は味見をした段階でもとろける様に甘いので……」
プツリと首元に犬歯を突きたて、滴り落ちる血を丁寧に舐める桔梗は、眉をひそめながら耐えているザクロを見上げた。
「口直しにはちょうど良いですね」
「だったら、まずい獲物とって腹満たすより、手元にある非常食の処理でもしてろバーロー」
「貴方が上質過ぎるのがいけないのですよ……味を知ってしまえば、他の物が三流以下に成り下がってしまう」
本当に、困った獲物に出会ってしまったものです、と苦笑する桔梗は、睨みつけてくるザクロを目を細めながら眺めた。
「ハハンッ、今日はもう少し味をよく確かめましょうか」
非常食の味見
むさぼる様に貪欲に
end
(2010/04/11)
「ハハン、いさぎが良いですね。ですが、非常食用と言ったはずですよ?」
カプリと黒い兎耳を甘噛みしながら、耐えるように目を瞑る相手を楽しげに見た。
「いつまで置いておくつもりだ……ッ」
「少し黙って頂けますか? 味見の最中ですから」
「バーロー、一思いに噛み殺せば良いだろ」
首筋を舐められる感触にビクリと反応しながら、その口から出てくるのは折れることのない自尊心からの挑発。
「鮮度を落としたくないだけです、非常食として食べるときに腐っていては話になりませんから」
「お前に非常食が必要か? 今日も血の匂いさせてるのによぉ」
「ハハン、備えあれば憂いなしという言葉を知らないのですか? それと、私は非常食にこそ上質の物を揃えたい性質です、その点貴方は味見をした段階でもとろける様に甘いので……」
プツリと首元に犬歯を突きたて、滴り落ちる血を丁寧に舐める桔梗は、眉をひそめながら耐えているザクロを見上げた。
「口直しにはちょうど良いですね」
「だったら、まずい獲物とって腹満たすより、手元にある非常食の処理でもしてろバーロー」
「貴方が上質過ぎるのがいけないのですよ……味を知ってしまえば、他の物が三流以下に成り下がってしまう」
本当に、困った獲物に出会ってしまったものです、と苦笑する桔梗は、睨みつけてくるザクロを目を細めながら眺めた。
「ハハンッ、今日はもう少し味をよく確かめましょうか」
非常食の味見
むさぼる様に貪欲に
end
(2010/04/11)