パロ系
「失礼します、白蘭様」
丁寧に断ってから扉を開ける。
部屋へと入るとうさぎのぬいぐるみを抱えたデイジーが近づいてきた。
「あ、桔梗……えっと、白蘭様は奥で電話中だか……ぼばっ!?」
「桔ッッ梗~!」
「ハハン、ブルーベルはいつも元気ですね?」
パタパタと走り、デイジーを踏みつけて胸に飛び込んできたブルーベルを受け止めながら桔梗は声をかけた。
グリグリと顔を押し付けるブルーベルは、尻尾を桔梗に絡めながら、桔梗が撫でてくれることに満足げな様子だった。
「ブ……ブルーベル、酷いよ……」
ブルーベルに踏み台にされたデイジーは、耳も尻尾もシュンと垂れ下がっている。
「大丈夫ですか? デイジー」
軽くデイジーの頭を撫でる桔梗、撫でられたことにビクリと驚いたデイジーは、下がっていた耳と尻尾をピンと立て、桔梗を見上げた。
「ニュ~! 桔梗はブルーベルだけ触ってれば良いの!!」
デイジーを撫でていた桔梗の手を、下から押しのけるようにブルーベルは邪魔をしながら叫んだ。
「アハハ! すごいね~相変わらず」
「失礼しました、白蘭様」
ブルーベルを放し、桔梗は白蘭へと向き直る。
「ん、じゃあ今後の話をしようか」
「はい」
すっかり仕事モードに切り替わった二人を見ながら、ブルーベルはデイジーを睨んだ。
「デイジーのせいで桔梗とあんまり話せなかった!!」
「ぼ、僕チンだって、桔梗ともっと話したかったんだけど……」
「今帰りましたよ、ザクロ」
帰る早々、居心地の良い場所で寝ているザクロのもとへと歩いていった桔梗は、気持ち良さそうに寝ているザクロの頭を軽く撫でる。
「ん~……何だばーろー、桔梗か……?」
ピクリと耳が動き、目を擦りながらザクロが起き上がる。
その様子が愛らしくて、ソッと手を伸ばし抱き上げようとした。
「……ッ!?」
眠そうにしていたザクロが、急にパッチリと目を開けて、桔梗を見上げた。
「ハハン? どうかしましたか」
「…………」
ジロリと桔梗を一瞥してから、ザクロの尻尾は不機嫌に左右に揺れた。
「ザクロ?」
「……知るか、バーロー」
外方を向いてしまったザクロに、何かしてしまっただろうかと考える。
尻尾の様子からすると、かなり怒っているらしい。
「何を怒っているんですか?」
「…………」
押し黙っているザクロを抱き上げ、質問する。
腕の中に納まったザクロは、先ほどよりもっと機嫌が悪くなってきている。
「……バーロー」
キッと睨んだザクロは、小さくつぶやいてから擦り寄ってきた。
「ハハン、どうしました?急に甘えてくるなんて」
「バーロッ! 誰が甘えてるんだ!!」
「……違いますか?」
「当たり前だバーロー!! 他の匂いなんか、つけてきやがって!!」
匂いの付け直しとばかりに、グリグリと顔を押し付けるザクロ。
「甘えているようにしか、見えませんが?」
「しかもあの電波とデイジーの匂いを二つもさせて帰ってくるな!!」
フーッと尻尾を膨らませながら威嚇するザクロだったが、桔梗の目には可愛らしい嫉妬にしか見えていなかった。
他猫の匂いをつけて帰ると
不機嫌になります。
end
(2010/01/30)
丁寧に断ってから扉を開ける。
部屋へと入るとうさぎのぬいぐるみを抱えたデイジーが近づいてきた。
「あ、桔梗……えっと、白蘭様は奥で電話中だか……ぼばっ!?」
「桔ッッ梗~!」
「ハハン、ブルーベルはいつも元気ですね?」
パタパタと走り、デイジーを踏みつけて胸に飛び込んできたブルーベルを受け止めながら桔梗は声をかけた。
グリグリと顔を押し付けるブルーベルは、尻尾を桔梗に絡めながら、桔梗が撫でてくれることに満足げな様子だった。
「ブ……ブルーベル、酷いよ……」
ブルーベルに踏み台にされたデイジーは、耳も尻尾もシュンと垂れ下がっている。
「大丈夫ですか? デイジー」
軽くデイジーの頭を撫でる桔梗、撫でられたことにビクリと驚いたデイジーは、下がっていた耳と尻尾をピンと立て、桔梗を見上げた。
「ニュ~! 桔梗はブルーベルだけ触ってれば良いの!!」
デイジーを撫でていた桔梗の手を、下から押しのけるようにブルーベルは邪魔をしながら叫んだ。
「アハハ! すごいね~相変わらず」
「失礼しました、白蘭様」
ブルーベルを放し、桔梗は白蘭へと向き直る。
「ん、じゃあ今後の話をしようか」
「はい」
すっかり仕事モードに切り替わった二人を見ながら、ブルーベルはデイジーを睨んだ。
「デイジーのせいで桔梗とあんまり話せなかった!!」
「ぼ、僕チンだって、桔梗ともっと話したかったんだけど……」
「今帰りましたよ、ザクロ」
帰る早々、居心地の良い場所で寝ているザクロのもとへと歩いていった桔梗は、気持ち良さそうに寝ているザクロの頭を軽く撫でる。
「ん~……何だばーろー、桔梗か……?」
ピクリと耳が動き、目を擦りながらザクロが起き上がる。
その様子が愛らしくて、ソッと手を伸ばし抱き上げようとした。
「……ッ!?」
眠そうにしていたザクロが、急にパッチリと目を開けて、桔梗を見上げた。
「ハハン? どうかしましたか」
「…………」
ジロリと桔梗を一瞥してから、ザクロの尻尾は不機嫌に左右に揺れた。
「ザクロ?」
「……知るか、バーロー」
外方を向いてしまったザクロに、何かしてしまっただろうかと考える。
尻尾の様子からすると、かなり怒っているらしい。
「何を怒っているんですか?」
「…………」
押し黙っているザクロを抱き上げ、質問する。
腕の中に納まったザクロは、先ほどよりもっと機嫌が悪くなってきている。
「……バーロー」
キッと睨んだザクロは、小さくつぶやいてから擦り寄ってきた。
「ハハン、どうしました?急に甘えてくるなんて」
「バーロッ! 誰が甘えてるんだ!!」
「……違いますか?」
「当たり前だバーロー!! 他の匂いなんか、つけてきやがって!!」
匂いの付け直しとばかりに、グリグリと顔を押し付けるザクロ。
「甘えているようにしか、見えませんが?」
「しかもあの電波とデイジーの匂いを二つもさせて帰ってくるな!!」
フーッと尻尾を膨らませながら威嚇するザクロだったが、桔梗の目には可愛らしい嫉妬にしか見えていなかった。
他猫の匂いをつけて帰ると
不機嫌になります。
end
(2010/01/30)