パロ系

ポカポカと日ざしが心地よく差し込む窓辺。


「ザクロ、何処にいるんですか?」

廊下からの声に、ピクリと耳が動き、スヨスヨと寝ていた目を薄っすらとあけ、耳を傾ける。


「ハハン、こんな所にいましたか」

扉を開けながら、桔梗は部屋の中へと入って来た。
ヒンヤリとした空気が入ってくるのを感じ、日の光によって温まっていた体が微かに動く。

「……バーロー、寒いんだよ」
「それはそれは、失礼しました」
「早く閉めろよ桔梗」

うろんげに、冷たい空気の入って来る方を睨み、桔梗へと言った。

「ハハン、分かりましたよ」

静かに扉を閉めながら、ザクロへと桔梗は近づいた。

「随分と暖かい場所ですね」

クッションに丸まっているザクロの近くへと座り。
パタリ、パタリと揺れる黒い尻尾に指を絡める。

「ッ!? バーロー、触るな!」

触られたことに、ビクリと反応したザクロは起き上がり。
自分の尻尾を桔梗から取り上げる。

「ハハンすみません、つい…」
「寒い場所にいて、手が冷たくなってんだよ!」
「貴方が温めてくれませんか?」

微笑みながら、起き上がったザクロを軽々と持ち上げ。
冷えこんでいた体へと抱き上げる。

「バーローッ! 冷てーんだよ!!」
「貴方は温かいですね」

日に当たっていたザクロの体は、ホカホカと温かくちょうど良かった。
ピンッと立った耳を撫で、喉を軽く数回撫でると、威嚇するように立っていた尻尾がヘタリと下を向いた。

「ッ……やめっ」
「ハハンッ……そろそろ、お昼ですから行きましょうか?」

ザクロを抱いたまま、立ち上がった桔梗は、恨めしげに腕の中で睨むザクロを見て苦笑した。


「今日は、貴方の好きな物を、用意しますよ」



ザクにゃんこ
飼い主は桔梗


end
(2010/01/29)
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