パロ系

鶏のザクロが風邪で寝込んでいました。
お見舞いに来た猫の桔梗は、ザクロの寝床の戸を叩きました。

「ハハンッ、加減はどうですか?」
「あー……加減ならよくなるぜバーロー。お前があっちに行けばな」
「そうですか……」

ザクロに入室拒否をされた桔梗は、そのまま大人しく引き下が……るわけでもなく、戸を開けました。

「バッ、バーロォ! 何で開けんだ!?」
「貴方の言葉は信用できませんから」

その後、ザクロは桔梗に丁寧に看病されました。



猫の看病
捕食と被食の関係


元ネタ イソップ童話『ニワトリとネコ』

キャスト

ニワトリ:ザクロ
ネコ:桔梗


end


猟犬の桔梗が黒兎のザクロを捕まえました。
しかし、食べる気があるのかないのか、甘噛みをしたりキスをしたりするだけでした。

「噛むのかキスするのか、どっちかにしやがれバーロォ!!」

堪りかねたザクロが叫ぶと、桔梗はニッコリと笑い甘噛みをするのを止めました。

「ハハン、では、どちらが良いですか?」
「ああ?」
「選ばせてあげますよ? もっとも、噛み付かれるのがお望みなら、その喉笛につき立てますが」
「……………」

それは、一つしか選択肢がないだろと、答えを待っている桔梗を前にザクロは考えました。



天秤に掛ける
必要のない問い


元ネタ イソップ童話『イヌとウサギ』

キャスト

イヌ:桔梗
ウサギ:ザクロ


end


寒い冬の日に、百姓のザクロは凍えた桔梗ヘビを見つけました。

「バーロー、大丈夫かよ?」
「ハハン、貴方がもう少し近づいていただければ……」

弱弱しく言う桔梗の言葉に、このまま凍死されては目覚めが悪いとザクロは近づきました。
近づいてきたザクロがすぐ目の前まで来た事を確かめた桔梗は、ザクロを地面へと押さえ込みました。
押さえ込んだ相手に、桔梗は優しく言いました。

「温めてください、貴方の体で」

押し倒されたザクロは、こう叫びました。

「情けをかけた俺がバカだったぜバーロォ!!」



親切心
情けをかけようとした相手が悪かった


元ネタ イソップ童話『お百姓と、凍えたヘビ』

キャスト

百姓:ザクロ
ヘビ:桔梗


end
(2010/08/02)
10/17ページ