パロ系
……あるところに、黒檀のように黒い服を着て、血のように赤い髪と瞳を持った、ザク雪姫と言う、男性がいました……
なぜ男性なのに姫とつくかは、話の都合上の問題でした。
「鏡よ鏡、ザクロ君見せて?」
「……入浴の時」
「うん、むしろ見たいからね?」
継母白蘭に、夜な夜などころでなく四六時中視かn……監視されていたザク雪姫は、ある日脱走をしました。
「ん~、ザクロ君も甘いなー、鏡に頼めばすぐ分かっちゃうのに……って、ちょっと待って、そっちは桔梗チャンの領地!?」
鏡により脱走劇を眺めていた継母白蘭は、鏡に食いつくように近づきながら。
森の中へと入っていくザク雪姫に向かって叫びました。
「戻ってきてザクロ君! 有料になっちゃうから!!」
継母白蘭の叫びもむなしく、ザク雪姫は森の中へと入っていき、そこで鏡の映像は切れました。
「あー、だり~……ここまでくれば大丈夫かバーロー?」
逃げに逃げたザク雪姫は、肩で息をしながら木にもたれかかり座り込みました。
「ハハン、どうしましたか?」
「あ?」
声をかけられ、軽く顔を上げるとニッコリと微笑んでいる人物がいました。
「誰だバーロー?」
「領主の桔梗と申します」
「……邪魔したな」
「ハハン、もし行き場所が無いのでしたら、私のところへ来ませんか?」
立ち上がり早々に歩き出そうとしたザク雪姫を前に。
逃げてきたとも、偶然迷い込んできたとも聞かないうちに提案をしてきた領主の桔梗……
「行くぜバーロー」
疑おうともせず、あっさりとザク雪姫は提案に乗りました。
「ハハン、では行きましょうか」
「つーか、慈善事業か? 普通、そこらへんの奴に声かけて泊らせるなんてねーぜバーロォ?」
「代金はもちろん頂きますよ、体で」
「何だ? 皿洗いかなんかか?」
「ハハンッ、似たようなものですね」
タダほど高い物はないが、甘い話には裏があると考えているザク雪姫は。
仕事があることに怪しげな話ではないと結論を出しました。
サクサクと獣道を歩いていく領主桔梗とザク雪姫。
質素ではありませんが、領地持ちにしては簡素な屋敷へとつきました。
領主桔梗の後へと続き、屋敷の中へと入って行ったザク雪姫は。
使用人が一人もいない屋敷に疑問を持ちました。
「どうしました?」
「いや、……さぞかし女ばっかでハーレム状態かと思ってたぜバーロー」
「ハハン、なにぶん森の中へは誰も入ろうとしないものですから。その代わり、静かでいいですよ?」
美形とも言える領主桔梗に、まぁ、騒がれるのも飽きてるのかと勝手に解釈し。
前を歩く領主桔梗へとついて行きました。
「では、こちらが貴方の部屋になります」
「おう、で、仕事は何だバーロー?」
「ハハン、ここの生活に慣れてからでかまいませんよ」
皿洗い、まき割り、掃除、料理……
何かしら言われるのだろうと思っていたザク雪姫は、軽く肩すかしを受けましたが。
親切な奴もいるものだと、微笑んでいる領主桔梗を見ました。
その日は何事もなく。
監視される事から解放されたザク雪姫は、安心して眠ることができました。
「ハハン、起きてください」
「う~……ん?」
「朝食の用意ができていますよ」
「……言えば作ったぜバーロぉ?」
「一人で作るのが習慣でしたから」
ニッコリと微笑まれると、寝てて良かったのかと思いましたが。
爆睡していたので、早起きして作れたかと言うと……疑問に残るところでした。
その後も、何もすることが無いぐらい、完璧に他人の世話までこなしてしまう領主桔梗に。
ザク雪姫は、だんだんと頭が上がらなくなってきました。
「桔梗……そろそろ俺にも何かやらせろ」
「ハハン、どうかしましたか?」
「気が引けんだよバーロー」
居心地悪そうにジッと見つめてくるザク雪姫に、領主桔梗はクスリと苦笑を漏らしました。
「ハハンッ、もう少し慣れてからの方がいいかと思っていましたが、貴方が急かすのなら、仕方ありませんね?」
「早く言え、何をすりゃいいんだ?」
向かいの椅子に座っていた領主桔梗は立ち上がり。
ソファーに座っているザク雪姫へと近づきました。
「白雪のように誰にも汚されていない貴方を、私色に染めていいですか?」
「…………はぁ?」
予想外の言葉に一瞬頭が真っ白になりました。
「始めに言った通りに、体で払ってもらうだけです」
ザク雪姫の黒檀の様に黒い服に手をかけながら。
領主桔梗はいつものようにニッコリと微笑みました。
「……ちょっと待て、軽く犯罪じゃねーか?」
まともに頭が働かない中、ザク雪姫は服を脱がされながら呟きました。
「ハハン、大丈夫ですよ、優しくしますから」
「いや……そう言う問題じゃねーだろバーローォ!!」
叫びもむなしく。
こうして、体で払うの本当の意味を知ることとなりました。
一方その頃お城にて。
継母白蘭は鏡に向かい、呪文を唱えました。
「鏡よ鏡、ザクロ君見せて」
「……有料の時」
「いいよ、もう我慢の限界だから、お試し期間ぐらいあるよね?」
「一秒千円の時」
「…………桔梗チャン、どれだけ見せたくないの?」
ご利用は計画的に?
後悔してからでは遅いので
元ネタ 『白雪姫』
キャスト
白雪姫:ザクロ
継母:白蘭
小人?:桔梗
鏡:トリカブト
end
(2010/03/29)
なぜ男性なのに姫とつくかは、話の都合上の問題でした。
「鏡よ鏡、ザクロ君見せて?」
「……入浴の時」
「うん、むしろ見たいからね?」
継母白蘭に、夜な夜などころでなく四六時中視かn……監視されていたザク雪姫は、ある日脱走をしました。
「ん~、ザクロ君も甘いなー、鏡に頼めばすぐ分かっちゃうのに……って、ちょっと待って、そっちは桔梗チャンの領地!?」
鏡により脱走劇を眺めていた継母白蘭は、鏡に食いつくように近づきながら。
森の中へと入っていくザク雪姫に向かって叫びました。
「戻ってきてザクロ君! 有料になっちゃうから!!」
継母白蘭の叫びもむなしく、ザク雪姫は森の中へと入っていき、そこで鏡の映像は切れました。
「あー、だり~……ここまでくれば大丈夫かバーロー?」
逃げに逃げたザク雪姫は、肩で息をしながら木にもたれかかり座り込みました。
「ハハン、どうしましたか?」
「あ?」
声をかけられ、軽く顔を上げるとニッコリと微笑んでいる人物がいました。
「誰だバーロー?」
「領主の桔梗と申します」
「……邪魔したな」
「ハハン、もし行き場所が無いのでしたら、私のところへ来ませんか?」
立ち上がり早々に歩き出そうとしたザク雪姫を前に。
逃げてきたとも、偶然迷い込んできたとも聞かないうちに提案をしてきた領主の桔梗……
「行くぜバーロー」
疑おうともせず、あっさりとザク雪姫は提案に乗りました。
「ハハン、では行きましょうか」
「つーか、慈善事業か? 普通、そこらへんの奴に声かけて泊らせるなんてねーぜバーロォ?」
「代金はもちろん頂きますよ、体で」
「何だ? 皿洗いかなんかか?」
「ハハンッ、似たようなものですね」
タダほど高い物はないが、甘い話には裏があると考えているザク雪姫は。
仕事があることに怪しげな話ではないと結論を出しました。
サクサクと獣道を歩いていく領主桔梗とザク雪姫。
質素ではありませんが、領地持ちにしては簡素な屋敷へとつきました。
領主桔梗の後へと続き、屋敷の中へと入って行ったザク雪姫は。
使用人が一人もいない屋敷に疑問を持ちました。
「どうしました?」
「いや、……さぞかし女ばっかでハーレム状態かと思ってたぜバーロー」
「ハハン、なにぶん森の中へは誰も入ろうとしないものですから。その代わり、静かでいいですよ?」
美形とも言える領主桔梗に、まぁ、騒がれるのも飽きてるのかと勝手に解釈し。
前を歩く領主桔梗へとついて行きました。
「では、こちらが貴方の部屋になります」
「おう、で、仕事は何だバーロー?」
「ハハン、ここの生活に慣れてからでかまいませんよ」
皿洗い、まき割り、掃除、料理……
何かしら言われるのだろうと思っていたザク雪姫は、軽く肩すかしを受けましたが。
親切な奴もいるものだと、微笑んでいる領主桔梗を見ました。
その日は何事もなく。
監視される事から解放されたザク雪姫は、安心して眠ることができました。
「ハハン、起きてください」
「う~……ん?」
「朝食の用意ができていますよ」
「……言えば作ったぜバーロぉ?」
「一人で作るのが習慣でしたから」
ニッコリと微笑まれると、寝てて良かったのかと思いましたが。
爆睡していたので、早起きして作れたかと言うと……疑問に残るところでした。
その後も、何もすることが無いぐらい、完璧に他人の世話までこなしてしまう領主桔梗に。
ザク雪姫は、だんだんと頭が上がらなくなってきました。
「桔梗……そろそろ俺にも何かやらせろ」
「ハハン、どうかしましたか?」
「気が引けんだよバーロー」
居心地悪そうにジッと見つめてくるザク雪姫に、領主桔梗はクスリと苦笑を漏らしました。
「ハハンッ、もう少し慣れてからの方がいいかと思っていましたが、貴方が急かすのなら、仕方ありませんね?」
「早く言え、何をすりゃいいんだ?」
向かいの椅子に座っていた領主桔梗は立ち上がり。
ソファーに座っているザク雪姫へと近づきました。
「白雪のように誰にも汚されていない貴方を、私色に染めていいですか?」
「…………はぁ?」
予想外の言葉に一瞬頭が真っ白になりました。
「始めに言った通りに、体で払ってもらうだけです」
ザク雪姫の黒檀の様に黒い服に手をかけながら。
領主桔梗はいつものようにニッコリと微笑みました。
「……ちょっと待て、軽く犯罪じゃねーか?」
まともに頭が働かない中、ザク雪姫は服を脱がされながら呟きました。
「ハハン、大丈夫ですよ、優しくしますから」
「いや……そう言う問題じゃねーだろバーローォ!!」
叫びもむなしく。
こうして、体で払うの本当の意味を知ることとなりました。
一方その頃お城にて。
継母白蘭は鏡に向かい、呪文を唱えました。
「鏡よ鏡、ザクロ君見せて」
「……有料の時」
「いいよ、もう我慢の限界だから、お試し期間ぐらいあるよね?」
「一秒千円の時」
「…………桔梗チャン、どれだけ見せたくないの?」
ご利用は計画的に?
後悔してからでは遅いので
元ネタ 『白雪姫』
キャスト
白雪姫:ザクロ
継母:白蘭
小人?:桔梗
鏡:トリカブト
end
(2010/03/29)