小話

◆きのこ


「……食えるのかバーロー?」
「ハハン、白蘭様から頂いたものですから、おそらくは食べることが出来ると思いますが」
「いや、それにしてもこの色はねーだろ」
カラフルな茸をつまみ、顔をしかめて端へと置いた。
「茸狩り職人でも、時に間違えることがあると言いますね」
「今言うなバーロー、良いのよりすぐっても怪しくなってきただろ」
「ザクロ、知っていますか? 毒キノコは意外と地味な色も多いのですよ」
茶色やまともそうなモノをより分けていたザクロは、桔梗の言葉に手を止めた。
「……床に全部落ちて食えなかった事にするかバーロォ?」
「ハハンッ、そうですね」

きのこ
選別は慎重に?


end


◆夜長


「活字中毒者かバーロー」
「ハハン、中毒は言い過ぎです。ただ好きなだけですよ」
「その量は異常だろ」
手元にすぐ取れるように山と積まれた本。
多彩なジャンルの本を、桔梗は手に取っては読み続けていた。
「無節操だな」
「知識は広いに超したことはありません。貴方もいかがですか?」
「断るぜバーロォ、始めの数行で眠くなるからな」

夜長
読書家と傍観者


end
(2010/10/02)
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