その他

「う゛ぉ゛お゛い! お前またあの根性曲がりと酒飲みに行ったんだってなあ゛!!」
「あ? なんだバーロー」

昼寝の邪魔をしてきたスクアーロを鬱陶しげに睨んだザクロは、相手の剣幕に何事かと思った。

「いったい、いつになったらお前は身の危険を察知するんだぁ!?」
「……心配性過ぎんだろ、たかが桔梗と飲みに行っただけでそこまで言うか?」
「気付け!あの根性曲がりが何も考えてないと思ってんのか!!」

鼓膜を破らんばかりに大声で怒鳴るスクアーロ。
嫉妬なのかと今更になって考えたザクロは、相手の態度に呆れた。

「何か考えてるわけねーだろ。俺が何かされたってのか?」
「う゛ぉ゛おい!それが罠だって何で気がつかねぇんだぁ!?」
「ちったーその独占欲どうにかしやがれ、考えすぎだ」
「だぁあああ! 何でわかんねーんだお前はよぉ!!」

焦れて迫るように怒鳴るスクアーロに、ザクロは本気で呆れを通り越し鬱陶しくなってきた。

「ハハン、また痴話喧嘩ですか?」

何気なく部屋へと入り、両者の様子に苦笑を漏らす桔梗。
いい加減、スクアーロをどうにかしたかったザクロは、桔梗を見ながら問いかけた。

「桔梗か……こいつに言ってやれねぇか? お前との関係疑ってきやがってよぉ」
「器の狭い者ほど、鬱陶しいものはありませんね」
「う゛ぉ゛お゛い! 出やがったな諸悪の根源!!」
「ハハンッ……ザクロ、私が彼を説得してあげますよ」
「頼むぜバーロー」

スクアーロを鼻で笑った桔梗は、ザクロにだけ優しげな態度で対応し。
毛を逆立てて威嚇する勢いのスクアーロを部屋の外へと連れ出した。

「何だぁ? いよいよ殺される気になったかぁ!」
「いいえ、少し宣言をしておこうかと思いまして」
「う゛お゛ぉい! やっぱりか!」
「ハハン……ザクロは私が貰います。せいぜい、今のうちに無駄な足掻きをしなさい」

余裕の態度で見下しながら言う桔梗に、スクアーロはブチブチと血管の切れる音が聞こえた。

「誰が渡すかァアア!!」

怒鳴りつけたスクアーロは、踵を返してザクロの元へと戻っていった。

「う゛ぉ゛お゛おい! やっぱり危ねぇだろ、あの根性曲がり! 油断すんなよぉ!!」
「…………鬱陶し過ぎるだろバーロォ!!」

迫るように顔を近づけてくるスクアーロに、青筋を立てながらザクロは相手の頭に肘鉄を入れた。



むくわれない
狙われる相手は気がつかない……


end
(2010/07/16)
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