その他
スヤスヤと寝ていると、肩を揺らされた。
「桔梗かぁ? 今日は休みだろ」
肩を揺らしてくる手を払いのけ、寝返りをうって背を向ける。
すると、今度はベッドが軋み、何かが伸し掛かってきた。
「……ブルーベルか? 何回上に伸し掛かるなって言えばいいんだバーロー」
伸し掛かってくる重みに無視をして、布団の中へと潜り込む。
「う゛お゛おい! 何で俺の名前が出てくる前に、真っ先に他人の名前が出てくるんだぁ!!」
「…………あ?」
布団を払いのけてから、伸し掛かってくる物体を見ると。
桔梗のゆるく癖の入った髪でも、ブルーベルの水色の髪でもなく。
銀色のストレートの髪が目の前にあった。
「……お前かバーロー」
「お前か……じゃねぇ! 何で俺が起こしに来てるにも係わらず、他人の名前を呼ぶんだ!!」
寝起きに大音量で怒鳴られ、眉をしかめながら、手元にあった枕で怒鳴り続ける口を押さえた。
「ムグッ!?」
「朝からうるせーんだよバーロー、んなもん習慣だったんだから仕方ねーだろ?」
「ムガーッ!!」
なおも怒ろうとするスクアーロに。
ああ、そう言えば最近はこいつが起こしに来てたか、と思い出した。
「たくっ! 朝食ならとっくに用意できてるぞ!!」
「ふぁ~あ、そーかよバーロー」
律儀に着替えまで見届けて待っていたスクアーロに、欠伸交じりで返事をした。
「ほら、コーヒーだ!」
「うぃ~」
「う゛お゛おい! 寝ようとするな!!」
怒鳴りながらもかいがいしく世話を焼くスクアーロ。
雑に見えながら案外まめな奴だと、ある意味感心した。
「で、何か用事でもあったのかバーロー?」
朝食をとり終わり、状況を把握する頭がしっかりしてくると。
桔梗達がいない事に気が付いた。
「ああ? ねぇよ、しいて言うならお前以外の真6弔花どもが任務でいない事ぐらいかぁ?」
「ご苦労な事だなバーロー」
自分以外の全員とは珍しいが、そんな事もあるかと、適当に答えた。
「……何してんだバーロー?」
「う゛お゛おい、お前今の状況が分かってるのかぁ?」
「押し倒される寸前か?」
「そうだ!」
覆いかぶさるように肩を掴んでくるスクアーロを見上げ、暫くの間の後。
今しがたまで飲んでいたコーヒーのカップを投げつけた。
「う゛お゛おい! 何すんだ!!」
「おー、さすがヴァリアークオリティーか?」
至近距離から投げつけられたにも係わらず、片手でソレを掴んだスクアーロに感心しつつ。
距離が開いたところを縫って立ち上がった。
「ちょっと待て! 何処に行くきだ!!」
「しいて言うなら、寝てても襲われない場所か? バーロー」
ニヤリと笑いつつ、歩いていくと、後ろから早歩きで近づいてきたスクアーロが肩を掴んできた。
「お前、俺がどれだけ苦労して会いに来てるか分かってるのか!」
「歩いてくるだけだろバーロー?」
「どこがだ! お前、自分の部屋の周囲がトラップだらけなの知ってるのかぁ!?」
「あ?」
スクアーロの言葉に足を止め、まじまじと相手を凝視した。
「雲、雨、晴れの炎トラップだらけだぞ!!」
「バーロー、そんなもんあるか、いたって普通の廊下だろ?」
ちらりと自分の部屋がある方向の廊下を見るが、トラップどころかチリ一つ無い。
「あの桔梗って野郎と、ガキどもが仕掛けたんだぞ!?」
「まぁ、お前が言った炎からしたら、そうだろうな」
「いいか! 窓から入ろうとしたら純度100の雨領域、天井から入ろうとしたら晴れの炎で活性化された虫の大群、正面切って扉から入ろうとすれば、雲の炎で増殖した草にトラップ……ッて、どんな茨姫だ!!」
「…………つーか、どれだけ必死に来ようとしてんだバーロー」
普通そこまで仕掛けられたら諦めるだろ、と呆れにも近い感心をした。
「……う゛お゛ぉい、俺に対して冷たくねぇかぁ?」
「あー? そんな事ねーぜバーロー」
拗ねる様に睨んでくるスクアーロを見て、口もとを上げながら逆に近づいた。
「う゛ぉっ……」
「じゃーな、バーロー?」
ビシリと固まったスクアーロを放置して、ニヤリと笑いながら離れた。
「う゛お゛お゛おい!?」
硬直から解けたスクアーロの声を後方に聞きつつ、寝る場所を探しにのんびりと歩いて行った。
多少、愛想が無いのはご愛敬
『本音言ったら、付け上がるだろバーロー』
end
(2010/03/03)
杏奈様リク『スクザクの甘い感じ』
「桔梗かぁ? 今日は休みだろ」
肩を揺らしてくる手を払いのけ、寝返りをうって背を向ける。
すると、今度はベッドが軋み、何かが伸し掛かってきた。
「……ブルーベルか? 何回上に伸し掛かるなって言えばいいんだバーロー」
伸し掛かってくる重みに無視をして、布団の中へと潜り込む。
「う゛お゛おい! 何で俺の名前が出てくる前に、真っ先に他人の名前が出てくるんだぁ!!」
「…………あ?」
布団を払いのけてから、伸し掛かってくる物体を見ると。
桔梗のゆるく癖の入った髪でも、ブルーベルの水色の髪でもなく。
銀色のストレートの髪が目の前にあった。
「……お前かバーロー」
「お前か……じゃねぇ! 何で俺が起こしに来てるにも係わらず、他人の名前を呼ぶんだ!!」
寝起きに大音量で怒鳴られ、眉をしかめながら、手元にあった枕で怒鳴り続ける口を押さえた。
「ムグッ!?」
「朝からうるせーんだよバーロー、んなもん習慣だったんだから仕方ねーだろ?」
「ムガーッ!!」
なおも怒ろうとするスクアーロに。
ああ、そう言えば最近はこいつが起こしに来てたか、と思い出した。
「たくっ! 朝食ならとっくに用意できてるぞ!!」
「ふぁ~あ、そーかよバーロー」
律儀に着替えまで見届けて待っていたスクアーロに、欠伸交じりで返事をした。
「ほら、コーヒーだ!」
「うぃ~」
「う゛お゛おい! 寝ようとするな!!」
怒鳴りながらもかいがいしく世話を焼くスクアーロ。
雑に見えながら案外まめな奴だと、ある意味感心した。
「で、何か用事でもあったのかバーロー?」
朝食をとり終わり、状況を把握する頭がしっかりしてくると。
桔梗達がいない事に気が付いた。
「ああ? ねぇよ、しいて言うならお前以外の真6弔花どもが任務でいない事ぐらいかぁ?」
「ご苦労な事だなバーロー」
自分以外の全員とは珍しいが、そんな事もあるかと、適当に答えた。
「……何してんだバーロー?」
「う゛お゛おい、お前今の状況が分かってるのかぁ?」
「押し倒される寸前か?」
「そうだ!」
覆いかぶさるように肩を掴んでくるスクアーロを見上げ、暫くの間の後。
今しがたまで飲んでいたコーヒーのカップを投げつけた。
「う゛お゛おい! 何すんだ!!」
「おー、さすがヴァリアークオリティーか?」
至近距離から投げつけられたにも係わらず、片手でソレを掴んだスクアーロに感心しつつ。
距離が開いたところを縫って立ち上がった。
「ちょっと待て! 何処に行くきだ!!」
「しいて言うなら、寝てても襲われない場所か? バーロー」
ニヤリと笑いつつ、歩いていくと、後ろから早歩きで近づいてきたスクアーロが肩を掴んできた。
「お前、俺がどれだけ苦労して会いに来てるか分かってるのか!」
「歩いてくるだけだろバーロー?」
「どこがだ! お前、自分の部屋の周囲がトラップだらけなの知ってるのかぁ!?」
「あ?」
スクアーロの言葉に足を止め、まじまじと相手を凝視した。
「雲、雨、晴れの炎トラップだらけだぞ!!」
「バーロー、そんなもんあるか、いたって普通の廊下だろ?」
ちらりと自分の部屋がある方向の廊下を見るが、トラップどころかチリ一つ無い。
「あの桔梗って野郎と、ガキどもが仕掛けたんだぞ!?」
「まぁ、お前が言った炎からしたら、そうだろうな」
「いいか! 窓から入ろうとしたら純度100の雨領域、天井から入ろうとしたら晴れの炎で活性化された虫の大群、正面切って扉から入ろうとすれば、雲の炎で増殖した草にトラップ……ッて、どんな茨姫だ!!」
「…………つーか、どれだけ必死に来ようとしてんだバーロー」
普通そこまで仕掛けられたら諦めるだろ、と呆れにも近い感心をした。
「……う゛お゛ぉい、俺に対して冷たくねぇかぁ?」
「あー? そんな事ねーぜバーロー」
拗ねる様に睨んでくるスクアーロを見て、口もとを上げながら逆に近づいた。
「う゛ぉっ……」
「じゃーな、バーロー?」
ビシリと固まったスクアーロを放置して、ニヤリと笑いながら離れた。
「う゛お゛お゛おい!?」
硬直から解けたスクアーロの声を後方に聞きつつ、寝る場所を探しにのんびりと歩いて行った。
多少、愛想が無いのはご愛敬
『本音言ったら、付け上がるだろバーロー』
end
(2010/03/03)
杏奈様リク『スクザクの甘い感じ』