その他

解っていたのは……
世界にとって自分は異質な存在だったこと。


「……バーロー、俺に近づくからそうなるんだぜ?」


冷静な目で灰を……人だったモノを眺める。

「……行くか」

自分は他人とは相容れないものだった。



祈りをあげて何になる、と心の奥で叫ぶ。
それでも、祈りを捧げる自分はさぞ滑稽だろう。


「ねぇ、君の願い叶えてあげようか?」


白い人物がいた。


「僕と一緒に来ないかい? 理不尽な世界を終わらせてあげるよ」

天使のように白い人物は手を差し伸べる。

「君の覚悟を見せてくれれば、僕は君の願いを叶えてあげるよ?」

知らずに、考えることをやめた。
祈りを捧げていた手を解き。
白い人物へと手を伸ばす。

「さぁ、君の覚悟を見せてよ……こんな安っぽい指輪より、もっと良いのをあげるから」

伸ばした手にはめられていた赤い石の付いた指輪をはずされ。
かわりに翼をかたどった指輪を通された。


「僕が満足するぐらいの、君の覚悟の力が見たいんだ…………ザクロ君」



白い、白い、天使のような
悪魔の手


end
(2010/01/20)
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