桔ザク 2
「ザクロの匣の中身ってなんにも入ってないの?」
「なっ!? んな訳あるかバーロー!!」
「ニュ! だってザクロが匣使ってるの見たことないもん!!」
頬を膨らませて言うブルーベルの指摘に、傍で聞いていた桔梗は軽く笑いを零した。
「おい、何笑ってんだバーロォ」
「ハハン、たしかに見た事がなかったものですから」
「桔梗も見てないなら、やっぱり匣の中身がないんでしょ?」
「何でそうなるんだ! ちゃんと入ってるに決まってんだろ!!」
「じゃあ何が入ってるのよ?」
口を尖らせて問い返すブルーベル。
その問いに言い返そうとして、ザクロは口ごもった。
「ハハン、忘れているようなら此処で開匣した方が早いですよ?」
「……そうだなバーロー」
ほとんど使ってなかったからな、と言い訳をしながら桔梗の助言に従って、ザクロは炎をともした。
「ニュニュ~ン、中身がないから言えなかったんでしょ?」
「ハハン、ザクロは匣をあまり使わないので忘れる事もありますよ、ブルーベル」
「ププ~! ザクロってやっぱりバカなんだ」
「うるせぇバーロー! 中身がありゃ良いんだろ!!」
ザクロは怒鳴りながら乱暴に開匣した。
カチッ、と音を立てて匣が開いた。
「ニュ? なーんだやっぱり中身が入ってないじゃない」
「ちょっと待てバーロォ! そんなはずは……」
「危ないですよ、ザクロ。急に何かが飛び出したらどうする積りですか?」
何も出てこない匣を、暫くの間ザクロ達は眺め続けた。
「ニュニュ? 何の音?」
「匣から出てねーか?」
「ハハン、何処かで聞き覚えはありますが……」
小さい音が室内に響き始め、鮮明に聞こえてくると同時に、匣が震え始めた。
『ラン、ラン、ラン、ビャクラン♪』
「ニュ!」
「はぁ!?」
「ハハンッ」
軽い爆発音と煙と共に人形が飛び出してきた。
辺りにゆっくりと落ちる紙ふぶきと紙テープ、匣から出てきた物にザクロ達は呆気にとられた。
「ザクロ君、探しちゃったよ? 匣の点検終わったけど……って、皆どうしちゃったのかな?」
匣を片手に、のんびりと部屋に入ってきた白蘭は、中に様子に首を傾げた。
室内では笑い転げるブルーベルや、笑いを抑えて震える桔梗、バネ仕掛けの人形が飛び出た匣を片手に固まるザクロがいた。
匣の謎
そして謎は振出しに戻る?
end
(2011/06/12)
「なっ!? んな訳あるかバーロー!!」
「ニュ! だってザクロが匣使ってるの見たことないもん!!」
頬を膨らませて言うブルーベルの指摘に、傍で聞いていた桔梗は軽く笑いを零した。
「おい、何笑ってんだバーロォ」
「ハハン、たしかに見た事がなかったものですから」
「桔梗も見てないなら、やっぱり匣の中身がないんでしょ?」
「何でそうなるんだ! ちゃんと入ってるに決まってんだろ!!」
「じゃあ何が入ってるのよ?」
口を尖らせて問い返すブルーベル。
その問いに言い返そうとして、ザクロは口ごもった。
「ハハン、忘れているようなら此処で開匣した方が早いですよ?」
「……そうだなバーロー」
ほとんど使ってなかったからな、と言い訳をしながら桔梗の助言に従って、ザクロは炎をともした。
「ニュニュ~ン、中身がないから言えなかったんでしょ?」
「ハハン、ザクロは匣をあまり使わないので忘れる事もありますよ、ブルーベル」
「ププ~! ザクロってやっぱりバカなんだ」
「うるせぇバーロー! 中身がありゃ良いんだろ!!」
ザクロは怒鳴りながら乱暴に開匣した。
カチッ、と音を立てて匣が開いた。
「ニュ? なーんだやっぱり中身が入ってないじゃない」
「ちょっと待てバーロォ! そんなはずは……」
「危ないですよ、ザクロ。急に何かが飛び出したらどうする積りですか?」
何も出てこない匣を、暫くの間ザクロ達は眺め続けた。
「ニュニュ? 何の音?」
「匣から出てねーか?」
「ハハン、何処かで聞き覚えはありますが……」
小さい音が室内に響き始め、鮮明に聞こえてくると同時に、匣が震え始めた。
『ラン、ラン、ラン、ビャクラン♪』
「ニュ!」
「はぁ!?」
「ハハンッ」
軽い爆発音と煙と共に人形が飛び出してきた。
辺りにゆっくりと落ちる紙ふぶきと紙テープ、匣から出てきた物にザクロ達は呆気にとられた。
「ザクロ君、探しちゃったよ? 匣の点検終わったけど……って、皆どうしちゃったのかな?」
匣を片手に、のんびりと部屋に入ってきた白蘭は、中に様子に首を傾げた。
室内では笑い転げるブルーベルや、笑いを抑えて震える桔梗、バネ仕掛けの人形が飛び出た匣を片手に固まるザクロがいた。
匣の謎
そして謎は振出しに戻る?
end
(2011/06/12)